2017年度の全線開通を目指し広域農道西南濃3期地区の整備などを推進する岐阜県西濃農林事務所の木内康文所長と東海環状自動車道西回りルートのアクセス道路などさまざまな事業に取り組む岐阜県大垣土木事務所の冠者信男所長に15年度の主要事業などを聞いた。
――15年度の予算規模を伺いたい。
「農業農村整備事業の当初予算は約16億6000万円。県営分が11事業23地区で約11億7000万円、団体営分が3事業57地区で約4億9000万円を見込んでいる。また、14年度繰り越し予算が県営7事業8地区で約7億円あり、当初と合わせると約23億6000万円となる。このほか、治山事業として、当初予算が11カ所で約2億9000万円、14年度繰り越し予算が6カ所で約1億1000万円の合計約4億円。林道事業として、県営関ケ原林道など5路線の整備で約9000万円を見込んでいる」
――事務所の重点施策と主要事業について伺いたい。
「農業農村整備事業について、15年度は『ぎふ農業・農村基本計画』の最終年となり、売れる農産物づくりを実現するため、優良農地の確保が重要だ。担い手への農地の集積を加速するため『農地中間管理事業』が14年度から始まったが、これを推進するため、新たに海津市の2地区で暗渠排水事業に着手する。また、農業用水の確保のため、大垣市・垂井町、海津市で農業用水利施設の長寿命化対策を新たに2地区で着手する」
「また、大垣市上石津町と関ケ原町をつなぐ広域農道西南濃3期地区については、15年度中に名神高速道路のアンダーパス工事が完成する予定で、17年度の全線開通に向け予算を重点的に確保している」
「治山・林道事業では、山地災害が発生する危険が増大しており、養老町や垂井町で復旧治山事業や予防治山事業を計5カ所で新たに着手する。また、森林資源の適切な管理、山村地域の振興を図るため林道、作業道の整備も進めたい」
――15年度の新規事業着手箇所について伺いたい。
「農業基盤整備促進事業で、海津市の高須輪中地区の暗渠排水工面積37fと田鶴・境地区の暗渠排水工面積20fに着手する。県営かんがい排水事業で海津市の高須輪中三期地区の揚水機場13カ所などの補修や、大垣市、垂井町の相川左岸地区の用水路工の補修、改築、補強に着手する」
「復旧治山事業では、養老町の表山と滝谷の谷止工などに着工するほか、予防治山事業では養老町の小谷山南山、垂井町の登の谷止工に着手する」
――16年度の新規事業採択に向けた要望の動きがあれば、伺いたい。
「大垣市内の県営かんがい排水事業山王下立用水二期地区の用水路補修と中山間地域総合整備事業大垣上石津地区(大垣市)の用排水路工、農道整備などの2事業について新規採択へ向けた準備を行いたい」
――建設業に対してメッセージを。
「食糧の生産基盤を将来にわたって維持するたこと、また森林の持つ多面的機能を維持することは、農林行政にとって重要な課題であり、その実現には建設業界の力添えが今後とも必要と考えている。若い人材が魅力を感じてこの業界に飛び込んでもらえるよう、受注者と手を携えて努力したい」