【静岡県】着実に整備進む焼津漁港|建通新聞社

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<事業展望>着実に整備進む焼津漁港

漁港全景


 焼津漁港は日本有数の水揚量を誇り、遠洋、沖合・沿岸漁業の拠点として、国内に13ある特定第3種漁港のひとつ。2011年に漁業をとりまく環境を踏まえ、将来を見据えた「焼津漁港マスタープラン」を策定し、13年に新たな「特定漁港漁場整備事業計画」が策定された。今後も安定した水産物供給のため、津波対策を含めた漁港整備や環境整備を効率的に進める焼津漁港の事業計画、整備概要などを展望する。

 

避難施設詳細設計・改築工事へ

 

【地震・津波対策】
静岡県第4次地震被害想定の公表を受け、焼津漁港の地震・津波対策が大きな課題となっている。これまで県では、浜当目地区や石津地区の海岸堤防、外港や新港地区背後の胸壁・陸閘を整備し、焼津市消防防災センターで陸閘を一元管理する津波防災ステーションを整備した。しかし航路である港口から来襲する津波に対して未整備のため、外港・新港、内港から背後市街地に浸水被害が生じる。

 

第4回焼津漁港津波対策検討委員会

 

 このため、14年2月に県と水産庁が「焼津漁港津波対策検討委員会」を設置し検討を行い、14度中に焼津漁港の津波対策方針を策定する予定であり、その後対策を進めていく。これまでの検討で防波堤を粘り強い構造に改良することにより、L2津波に対して浸水区域を大幅に低減できることが判明している。
防波堤の粘り強い構造への改良として、14年度までに焼津南防波堤、外港北防波堤、小川南防波堤の耐震・耐津波診断、基本設計を実施し、来年度以降詳細設計を行い、防波堤改良工事に着手する予定である。
緊急輸送岸壁としては、新港地区の城之腰南岸壁が耐震化されているが、14年度に耐震・耐津波診断を実施しており、耐震改良が必要と判定されれば、15年度以降改良設計を行う。
地震における津波対策として、焼津新屋地区の石油タンク13基を有する石油基地外周の胸壁について、14度から15年度にかけて液状化対策工事を実施している。また、中港地区に石油タンク3基、石津地区に石油タンク3基があり、これらを防護する津波対策を進めていく必要がある。
津波避難施設として、現在外港、新港地区に06年度に整備した緊急退避施設が4基設置されている。第4次地震被害想定に基づき、14年度施設の配置検討や改築の基本設計を行っており、15年度以降詳細設計及び改築工事に着手する方針。また、外港、新港地区などで異常気象時における監視カメラを14年度に設置する。
地震・津波等の大災害発生後は水揚作業等を早期に再開する必要がある。12年度に漁業協同組合、加工業組合および商工会議所等からなる「焼津漁港事業継続計画策定検討部会」を設置し検討を行ってきており、早期に事業継続計画を取りまとめていく方針。

 

第5岸壁増深で基本設計

 

【水産物の安定供給】
13年に策定された「特定漁港漁場整備事業計画」の目標の一つである、「水産物の安定的な供給・国際化に対応できる力強い水産業づくりの推進」達成のため、各種事業を実施している。
大型化する海外まき網漁船に対応するため、10年に焼津外港地区西岸壁の第6岸壁120bを水深マイナス7bからマイナス9bに増深改良した。さらに増加する大型漁船に対応し、災害発生後も水産物流通機能を確保するため、13年度から西岸壁の第5岸壁100bを水深マイナス9bに増深・耐震化するよう基本設計を実施している。
漁港関係者が効率的に移動できるよう整備している臨港20号道路が、14年度内に開通し、新屋・城之腰地区と小川地区が漁港内で結ばれる。
計画的な維持管理により、漁港施設の長寿命化及びライフサイクルコストの縮減を図ることを目的に、12年度に機能保全計画を策定した。14年度は新屋東岸壁、新屋西岸壁、石津護岸の防食工事を実施。港内の30施設について、20年度までに保全工事を実施していく。
また、漁船の安全な航行を図るため、内港の浚渫工事も実施している。

 

外港地区西岸壁、北岸壁に停泊する海外まき網漁船

 

緑地第8地区の整備進む

 

【親しみやすい漁港】
焼津漁港は背後に都市化が進んだ地域があり、都市型漁港として開かれた漁港を目指している。漁業関係者や地域住民ににぎわいの場、憩いの場を提供するため、漁港環境整備事業により全体で10地区、8・3fの緑地整備が計画され、これまでに9地区、7・6fが完了している。
14年9月に供用された石津の第10地区「石津海岸公園」は、敷地面積3・6fに芝生広場1面、多目的広場3面を有し、地元自治会やグラウンドゴルフの団体、スポーツ少年団等地域住民に利用されている。
14年度から15年度にかけてビーチスポーツができる砂場を有する鰯ヶ島の第8地区の整備を行い、全10地区の整備がすべて完了する予定で、漁業関係者や地域住民に親しまれるよう緑地の整備を進めていく。

 

焼津漁港整備にあたり

 

大石勝己

 焼津漁港は昭和14年の築港着工以降、昭和30年代に焼津、小川の内港が整備され、その後漁船の大型化、流通の近代化等に対応するため、外港、新港へと整備を進めてきた。平成26年の水揚量は16万8000dで全国2位、水揚金額は457億円で全国1位を占め、国内の水産業の中核をなしている。
現在焼津漁港では、地震・津波対策、水産物の安定供給、親しみやすい漁港の3点に重点を置き整備を進めている。地震・津波対策では、港口から来襲する津波対策が喫緊の課題であり、「焼津漁港津波対策検討委員会」において今年度内に津波対策方針を策定し、今後対策を進めていく予定である。
水産物の安定供給では、海外まき網漁船の大型化等に対応するため、焼津外港地区の西岸壁を水深マイナス9bに増深・耐震改良していくとともに、今年度新港地区と小川外港地区を結ぶ臨港20号道路の完成を目指している。
親しみやすい漁港では、昨年9月に敷地面積3・6fの石津海岸公園が供用され、富士山の眺望が良く、地元住民をはじめ多くの方々に利用されている。
今後も漁港整備にあたり、水産庁、焼津市、漁協等と連携を図り進めていきたい。


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