「町民主役のまちづくり」を政治理念として町政に取り組む佐川秀紀砥部町長。ふるさとを元気にするべく将来のビジョンをしっかりと描き、強い信念と実行力をもって安全・安心なまちづくりを推進する佐川町長に社会基盤整備などへの今後の取り組みを聞いた。
▽砥部町が遅れていると感じる部分と必要な社会資本整備について
2014年度は旧砥部町と旧広田村が合併した新砥部町の誕生から10周年を迎えます。この節目の年を契機により一層、町民の皆さまが幸せを感じ、心優しく笑顔で過ごせるまちづくりに取り組んでまいります。 このような中、南海トラフ巨大地震の発生が懸念されており、住民が安心で快適に暮らすことができるよう、防災のハード整備とソフト活動を一体的に進め、災害に強いまちを形成する必要があります。また、町の公共施設の維持・更新は今後、財政負担など大きな問題となってくることが見込まれます。さらに、砥部町では周辺の過疎化やマイカーの普及により町内バス路線が減少し交通不便地域が拡大しているため、地域公共交通の整備・充実を図る必要があると考えています。
▽災害への備え、防災体制の強化について
砥部町は、地理的な条件によるものか、幸いにも風水害による被害が非常に少ない地域です。13年12月に発表された愛媛県地震被害想定調査でも津波浸水想定区域には含まれていません。とは言え、想定される巨大地震が発生すれば本町では最大震度6強となっています。全く経験したことのない大きな揺れとなり家屋倒壊や土砂崩れ、ライフラインが途絶えるなど甚大な被害が予想されます。そのため、住民の自然災害に対する危機意識も徐々に高くなっており、安心して暮らせるまちづくりのため、防災対策の充実に向けて取り組まなければならないと考えています。現在、地域防災計画の改正に向けて準備を進めています。災害時は住民の自助・共助が重要ですから、自主防災組織の活動支援、育成強化に取り組むほか、避難行動要支援者の支援対策を継続します。また、消防署、消防団、学校、事業所等との緊密な連携に取り組み、地域ぐるみで防災力の向上を図っていきます。
▽今後の主要事業について
<公共下水道>11年4月から一部供用開始となり63fの整備を終え、1700人余りが利用しています。今後も計画的な整備を進めていきます。
<上水道>13年度から第8次拡張事業に着手し、紫外線処理関連施設の整備を進めており、2014年度は第4水源地に送水用貯水槽と電気室を建築します。あわせて老朽管を更新し安心安全な飲用水の提供に努めます。
<道路整備>国道379号岩谷口バイパスは、残り延長230bの銚子大橋の整備が残っています。砥部と広田の一体化を図るためにも重要な路線であり早期完成に向け県・国に働きかけていきます。県道大平砥部線改良事業も具体化してきており、こちらも働きかけを進めます。特に広田地域は道路幅員が狭くガードレールが設置されていない箇所も多いため、危険箇所を把握し早期改良に向けて取り組みます。
<橋梁点検>ことし7月から5年ごとに橋梁やトンネルの点検が義務付けられており、本町も2014年度から点検を実施し結果を基に優先順位をつけて補修などを実施します。
<公共施設の耐震補強・改築>13年度で砥部幼稚園、砥部小学校屋内運動場、陶芸創作館の改修および防災拠点施設である砥部消防署新庁舎の建築が完了しました。14年度は千里地区公民館の耐震診断を実施します。なお、14年3月に「公共施設の今後のあり方」と「公共施設長寿命化指針」を策定しました。今後は、施設ごとの維持管理計画を策定していきます。
<スポーツ施設の充実>陶街道ゆとり公園に武道場の建設を計画しており、14年度に設計、15年度に建設します。17年に開催されるえひめ国体のバドミントン競技会場に同公園体育館が正式決定しました。国体時には、選手の控室などとして使用します。また、気軽に競技ができるグラウンドゴルフの普及に向けて同公園内にグラウンドゴルフ場を整備しており本年度中の完成予定です。広田地域の社会体育施設拠点であるひろた町民グラウンドの改修にも着手し、本年度中の完成予定です。
<放課後児童クラブの拡充>子育て世帯支援のため、要望の多い麻生小学校放課後児童クラブを拡充します。現在は、1階教室を利用していますが、敷地内に専用8中に開設します(軽量鉄骨造平屋160平方b程度)。
▽今後、特に注力していく施策、重点事業は
<給食センター>建設から約30年が経過し、老朽化が進む砥部、広田の両給食センターを統合し、17年度からの稼動を目指して用地選定を進めています。直営運営する方向で、安全で安心な給食の提供に万全を期します。