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■「どんぶり勘定からの脱皮を」=第3回 〜「鉛筆」から「キーボード」へ。不可欠なITの活用〜

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1回目の提言では『割から%へ』、2回目では『年から日へ』の管理について、すなわち「受注すれば後は何とか・・・」といった経営者の意識を改革し、その管理活動のレベルを向上させる重要性について、提案させていただきました。これら(1回目、2回目の提言)を実行に移し、利益の管理・確保を確実にするためには、絶対条件としてIT(コンピューター)の活用が不可欠です。そこで第3回目の最終回は、『「鉛筆」から「キーボード」へ」と題した提案をさせていただきます。
戦国時代の信長が、「刀から鉄砲へ」と戦う武器を替えて勝利したように、今まさに、戦国時代のような状況にある建設業界において、ITは鉄砲に匹敵する優れた道具、新しい武器と理解して欲しいのです。
「デジタルデバイド」と言う言葉を御存知でしょうか。ITを活用して情報を得られる人と、得られない人との格差が、あらゆる面で広がる時代であることを意味しています。
そこで、中小建設業経営者層各位にお願いしたいことは
@まずIT(コンピュータ―)で何ができるかを体験すること
・少なくとも3日間程度の講習会に参加し、自分自身でキーボードを操作し、体験すること
・「建設業は他の産業と比べ特殊だ」の一言で自らを納得させず、他の業界のコンピューターの活用状況を見学すること
AIT(コンピューター)は道具に過ぎないことを理解すること
・「ITは何でもできる」など、その能力を過信しないこと
・ITといえども所詮道具であり、活用する人の能力の範囲内と理解すること
・自動車と同じで、アクセルも、ブレーキも、ハンドルも自分にあるが、間違えると危ないものになる場合もあると理解すること
B自社の身の丈にあったシステムを構築すること
・まず身近で信頼できるITに比較的詳しい人材を探し、相談し、自社の活用分野を決めること
・徐々に活用分野を広げていくこと(段階的に)
・若手の活用を考えること

最後に、建設業は人の生活に無くてはならない産業です。すばらしい職業の一つであることは間違いありません。とはいえ、時代の要求への対応が遅れれば、人々の需要に応える事ができず、遅れた産業と評価されてしまいます。日本の建設業も、仕事そのものは素晴らしい産業なのですから、自動車産業のように、世界的にみてもコスト的(技術的は世界最高水準にあると思います)に引けをとらないと言われる産業へ脱皮できるよう、節に希望しております。

お問合せは、藤原コンサルティング(横浜市)代表、電話045(365)1447

執筆者プロフィール

中小企業診断士中小企業診断協会 東京支部建設業経営研究会代表幹事 藤原一夫