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現場に生かす天気の話
第16回 大気の状態が不安定とは?

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 天気予報の中で良く聞く「大気の状態が不安定」とは、一体どのような状態なのでしょうか。
 簡単に言えば「もくもくとした積乱雲が湧きやすい状態になっている」ことを表しています。つまり、大気が「急に強い雨が降ったり、落雷や竜巻などの激しい突風が起こったりする可能性がある」状態にあることを言っているのです。
 大気の状態が不安定になるのは、地上付近と上空の温度差が大きくなるからです。地上付近には暖かい空気が、上空には冷たい空気が流れ込んだ場合、密度の関係から地上付近にある暖かい空気は上空へ上昇し、反対に上空の冷たい空気は地上へと下降を始めます。地上付近と上空の間で空気が移動を始めることで対流が生まれ、もくもくとした積乱雲が出来上がります。地上付近と上空の温度差が大きいほど対流活動が活発になり、発達した積乱雲が形成されます。
 台風や低気圧から暖かく湿った空気が流れ込んでいる日、上空に寒気が流れ込んでいる日は、大気の状態が不安定になり、雷雨や突風が起こりやすいと言えます。「大気の状態が不安定」というキーワードを聞いた場合は、天気が急変する可能性があることを念頭に置き、豪雨発生や落雷・竜巻発生が予想された場合は、レーダー画像で現場周辺の天気を確認し、対策・避難を取れるようにしておきましょう。

執筆者プロフィール

ライフビジネスウェザー 気象予報士 櫻本美香

櫻本美香
ライフビジネスウェザー 気象予報士
kiyomasa@lbw.jp
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