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■中小建設業者の会社法=第1回〜そもそも新会社法って何?〜

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 まず中小会社とは何なのか。資本金が5億円未満かつ負債総額が200億円未満の会社を指します。従来は、大、中、小に分けられていましたが、会社法では大会社と中小会社の二つの区分になりました。この中小会社は90%以上に上っております。また、有限会社法が無くなりました。すなわち5月1日以降は、有限会社設立ができません。そうすると、「じゃあ、既存の有限会社はどうなるの」、という疑問があると思います。これは特例有限会社として、半永久的に残ります。そして事項証明書(会社の登記簿謄本)には、特例とは記されず、今までどおり○○有限会社のままです。そうすると、また疑問がおきます。「社員総会はどうなるの」。これは株主総会となります。さらに取締役会は設置しても、しなくても可です。
 まずは、自社の事項証明書を法務局で取得することをお薦めします。中小会社で既存有限会社は、有限会社という名称が残っているはずです。次に今まで口数であった出資金額や総数が○株と変わっています。これは職権登記といい、会社法施行により自動的に法務局が直した部分です。
 もう一つ、株式譲渡制限規定があります。株式の売買をする時は会社の承認を得なければならない、という規定です。新会社法では、すべての種類の株式に譲渡制限規定がある会社を「株式譲渡制限会社」と定め、@取締役会を置かなくてもよいA役員の任期を最長10年まで延ばせる―などのメリットを与えました。身内だけで経営している中小建設企業にとって、ありがたい制度と言えるでしょう。
 最後になりますが、最低資本金が無くなり、極端な場合、資本金1円でも設立可能ですが、後で、会計決算上に見合った額でないとならないので、その点、ご注意下さい。  また、現在の建設業法では、一般建設業の自己資本が500万円、特定建設業が資本金2000万円及び自己資本4000万円ですので、これも配慮に入れておいて下さい。
 とりあえず、今回は有限会社の中小会社について概略を述べました。

建設業法実務研究会ホームページ http://www.primoss.jp/kgk/

執筆者プロフィール

建設業法実務研究会 行政書士 岩戸 康太郎