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次代のコンストラクションカンパニー
第2回 「建設業らしくない」を追求するコンストラクションカンパニーとは

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 コンストラクションカンパニーとは、自社の強みと強みを結び、専門ソリューションを磨き、新しい価値を創り出す企業である。「人口減・高齢化」「大都市集中と過疎」「2025年問題を抱えるインフラ」など社会の課題と正面から向き合い、新たな「社会」を創る担い手である。今回は、コンストラクションカンパニーの事業モデルとして、
第1回に紹介させて頂いた
「ドメイン(食品分野)特化モデル」/「建設サービスモデル」以外の3つのモデルについて紹介させていただく。

(1)「地域ワンストップモデル」
各都道府県にて、地域ナンバーワンモデルのポジションを築いている企業には共通点がある。地域ブランディングにより地域に徹底的に強くなる事を前提に、ワンストップモデルを展開していくためには専門に特化し総合的に広げる必要がある。そのためには、現在保有しているノウハウ(固有技術)が何かを明確にし、企業間の連携、FC化、M&Aなどで総合的に広げることも有効な手段と言える

(2)「技術開発型モデル」
中小・中堅企業において開発分野で成功している企業は、一点突破開発で成功しているケースが多い。逆に、あれもこれも手を出しすぎて、全てが中途半端になっている企業もある。例えば建設業の場合、新工法・技術開発を軸とした独自のソリューション型ビジネスモデルとして展開し全国展開している成功企業もある。まさに、エリア越境への挑戦と言える。自社だけの技術やノウハウだけでは解決できない場合は、企業間や大学などの機関との連携も重要なポイントと言える。

(3)「地域ワンストップモデル」
建設・不動産業を核にしながら、保険・広告・旅行などのサービス型事業を多角展開することで地域の街づくりに貢献している企業もある。自社の固有技術だけでは、地域ワンストップモデルとして、展開することは難しく、M&A・FCの加盟など自社にない技術(ノウハウ)を活用することも必要である。また、同時に多角展開する際は、挑戦し、異質を認めるチームビルディングも組織風土として必要になる。

 今後の建設市場で自社のポジションを確立するには、事業モデルを進化させナンバーワンブランドを目指す必要がある。そのためにも、従来のイメージとは異なる「建設業らしくない」を追求し、新たなソリューションを顧客価値として提供していただきたい。

執筆者プロフィール

タナベ経営 コンサルティング戦略本部大阪本部副本部長 竹内建一郎

竹内建一郎
タナベ経営 コンサルティング戦略本部大阪本部副本部長