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第7回・最終回 不動産×ビッグデータ

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 本コラムも最終回を迎えました。今回は不動産業界の未来の可能性を考える「不動産×ビッグデータ」についてお話します。

 ビッグデータは、そのままの形で使うことはせず解析・分析が必要な多量のデータです。不動産は、建築資材や人件費などの変動により値動きのある商品のため、多量なだけではなくデータの更新頻度が高いことも重要な要素です。

 インターネットで買い物をすると、「この商品もおすすめです」といった提案が表示されることがあります。レコメンデーションという仕組みで、ユーザーごとの購買履歴や検索・閲覧履歴をもとに、個別の嗜好(しこう)に合った商品を分析し提案しています。

 ビッグデータの活用により、これと同じことが不動産業界でも可能になります。個別の物件の情報をビッグデータとして集積し、購入・賃貸希望者の検索履歴や今住んでいる家の情報などを分析、合致する物件情報の提案までを自動でできるようになります。少し先の未来の価格も予測できるようにも。

 本コラム第4回で取り上げた「VR」技術や、社会実験が行われたIT重説(※)が本格的に始動すると、物件探しから契約までウェブ上で完結する可能性もでてきました。

 いつでも・どこでも不動産の取引ができる世の中にどんどん近づいています。
 不動産業界はIT化が遅れている産業の代表選手ですが、インターネットや最新技術と組み合わせることで新たなビジネスチャンスを創出できます。消費者と消費者の直接取引『CtoC』の市場を形成する可能性すらあります。

 ビジネスの潮目が変わります。
 準備はいいですか。

※オンラインによる非対面式の重要事項説明のこと。

執筆者プロフィール

マンションリサーチ株式会社 企画・制作部 遠藤あかね

遠藤あかね
マンションリサーチ株式会社 企画・制作部
endo@mansionresearch.co.jp
2013年駒澤大学グローバル・メディア・スタディーズ学部グローバルメディア学科卒業。16年に結婚し仕事も家庭も充実した日々を過ごしている。千葉県出身、在住。駒澤不動産紫門会所属。 マンションリサーチ(株)URL:http://mansionresearch.co.jp/