MBA社労士流『売手市場のハローワーク求人戦略』 〜欲しい人材が向こうから来てくれる求人票の作り方〜
第6回 露出機会を増やすには
いいね | ツイート |
0 |
【露出機会を増やすには】
これまでのコラム5回で確認したとおり、求める人材は、複数のチャネルとプロセスを経て、ようやく我が社の求人票にたどり着きます。ところが、せっかく時間をかけて作成し、登録された求人票も「果報は寝て待て」スタイルでは、ターゲットにリーチできません。つまり、いかにして露出機会を増やすかが勝敗の分かれ目になるのです。
【5枚までの印刷制限あり】
ここで読者の皆さんに確認です。自社の求人票がハローワークの窓口でどのように紹介されているか、きちんと把握している方はどの程度いらっしゃるでしょうか?
求人票は、原則、事業所管轄のハローワークで受理・登録され、HWISのシステムを介して全国どこでも検索が可能となります。
求職者は窓口端末で興味を持った求人票をプリントアウトし、担当者に相談する流れです。ただし、印刷は一覧表、求人票ともに5枚までの制限があるのです。
検索条件に合致した一覧表には、1ページ当たり8社まで掲載されるため、最大で40社に絞られます。そこから、求人票も1度に5件しか印刷できないため、結局は5社に残らないとマッチングチャンスは一気に減ります。ここから逆転するには、いかに露出機会を増やすが重要なわけです。
【窓口の掲示板】
一般的に、ハローワークには求人票をプリントアウトして掲示するコーナーがあります。
筆者が現認したのは全国のハローワーク480か所のうち、100か所程度ですが、それぞれ独自の基準で「推奨求人」を露出してくれる嬉しいサービスです。
当然ながら、掲示スペースには限りがあります。多いところで100件程度、少ないところでは30件あるか、という程度です。ちなみに、首都圏のように家賃が高すぎる地域では、窓口そのもののスペースが限られるため、掲示されていないケースもあります。
【掲示される求人票の特徴】
求人票は紛れもなく「求人広告」です。しかも、無料です。120万件もの登録データの中から、1%程度の求人票は求職者の目に触れやすい場所に掲示されているのです。これを逃す手はありません。
では、どんな場合に掲示してもらえるのか?これは、ハローワークごとに扱いが異なります。100か所程度のハローワークで目視確認した限り、以下3つの傾向があります。
(急募案件)
1つ目は「急募」コーナーです。これは8割がたのハローワークで掲示されています。やはり、有効求人倍率1.59(平成30年1月末現在)の採用難の顕れでしょう。
(条件変更案件)
2つ目は「労働条件が変更された」コーナーです。これも8割がたのハローワークにあります。「賃金を上げる」「短時間勤務制度を設ける」等、経営面で大きな決断が必要なパターンです。福祉・介護、飲食系がほとんどですが、電気設備業者等の建設業も全体の1割程度は覗かれます。
(開拓案件)
3つ目は「ハローワークが開拓した求人」コーナーです。これは掲示スペースがある場合、ほぼ全てのハローワークで掲示されています。やはり、自分たちが開拓してきた求人には思い入れがあるのでしょう。
(新着案件)
変わったところでは「新着」コーナーです。3割程度のハローワークにありました。3つ目のコーナーと明らかに違う点は、ホヤホヤの最新求人であり、長くても1週間程度、短いと1日で洗い替えされる「フレッシュな情報」という点です。
情報は鮮度が命ですから、求職者は、この新着コーナーには興味を惹かれるでしょう。
今回は求人情報の露出機会を増やすヒントを解説しました。管轄ハローワークの「注目の求人票コーナー」の運用方法を確認し、ここに掲載させるにはどうすべきか、窓口担当者に相談してください。
次回は、「どうやって我が社を知ってもらうか」具体的な方策について、さらに深く掘り下げていきます。
執筆者プロフィール
山崎広輝
中小企業診断士事務所 みらいの経営代表(0円求人コンサルタント)
info@miraino.biz
ハローワークで20年間、毎月200人を採用してきた「社労士なのに経営ができる・わかるMBA社労士」元大東ビジネスセンター(株)代表取締役 https://www.miraino.biz