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MBA社労士流『売手市場のハローワーク求人戦略』 〜欲しい人材が向こうから来てくれる求人票の作り方〜
第7回 どうやって我が社を知ってもらうか?

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【どうやって我が社を知ってもらうか?】
 前回は「露出機会を増やす方法」として窓口の掲示板に掲載させる意義を紹介しました。これは広告の世界でいう、興味付けです。次にやるべきは我が社や仕事の内容をより詳しく知ってもらうことで、さらに関心を深め、応募に誘導する方策です。そのために、知る人ぞ知る「写真の活用」をご紹介します。

【ハローワークで写真を使う】
 ハローワークで写真なんか使えるの?
 私が開催する「すごい求人票セミナー」に参加される高感度の経営者ですら、口々におっしゃいます。さらに、長年、採用を担当している大手企業の人事マンでも半数以上はご存じありません。

 求人票現物はA4横に1枚だけで文字情報のみ、しかも、提携フォーマットに限られた字数で記載する必要があります。このため、社長や人事マンは「求人票には書きたいことが書けない」と訴えます。一方で、面接などで求職者に確認すると、「会社が言いたいことは書かれてるけど、我々が知りたい情報は・・・」と、反応は真逆です。

 では、どちらに問題があるか?
 それは、明らかに「情報の出し手」です。HWISは、従来の求人票の弱みである「文字だけでは伝えきれない情報量」「文字で表現する難しさ」をカバーするために、写真で伝える機能があるのです。

【画像登録機能】
 百聞は一見に如かず。言葉の羅列より、一目でわかる職場風景や集合写真があった方が、圧倒的に魅力は伝わります。
 では、全国でどの程度の企業がこの「写真を登録する機能」を活用しているか?
 残念ながら、厚労省から正確な統計データは発表されていません。筆者は、年に2回(5月、11月)、120万件のデータのうち、どの程度の企業がこの「画像登録機能」を活用しているか独自に調査しています。

(登録状況)
 2017年5月に約3%だった「画像登録」の活用割合は、同年11月時点では、約6%まで跳ね上がりました(中小企業診断士事務所みらいの経営の調査)。半年間、筆者のセミナーにご出席いただいた500社は積極的に活用されて効果を出しています。
 中でも、ある派遣会社では自社クライアント200社に導入した事例もあり、これが数字を跳ね上げた遠因と言えます。こうしたおいしい機能は、早い者勝ちです。それは、地域や業種の特性を見れば明らかです。

(枚数制限)
 例えば、あるハローワークでは、A4サイズの写真が13枚も登録されていました。大手の有料媒体でA4サイズ13ページもの写真を使ったら、1週間で1千万円はとぶでしょう。それが、ハローワークだからタダなのです。この運送業の求人票は既に期限切れで掲載されていません。おそらく採用につながったのでしょう。

(早い者勝ち)
 また、ある県のハローワークは「写真登録は2枚まで」に制限されています。既に、18%以上の企業が利用している県ですから、サーバーの容量を意識せざるをえないのです。今後、利用率が上がれば、さらに制約が増すでしょう。やはり、早い者勝ちなのです。

(厚労省管轄の優位性)
 次に、業種特性はどうか。圧倒的に「医療・福祉」業界での登録率が高くなります。これは、当然です。ハローワークは厚労省の管轄です。3年ほど前、人手不足に窮する介護事業者を中心に、全国のハローワークがテコ入れをした名残です。それでは、我々、建設業ははたしてどうか。全国平均でみても3%も活用されていません。このコラムをご覧になった建設業者は一歩抜きんでるチャンスです。すぐに画像登録にチャレンジしてください。

(登録の手順)
 具体的には、管轄のハローワークで「求人票に写真を使いたい」と申し出るだけです。ハローワーク毎に独自のルールはありますが、指定のフォーマットに写真を張り付けて提出するだけです。

 今回は、我が社の魅力を伝えるための「画像登録機能」を解説しました。
 次回は最終回となります。まとめとして「マーケティング型求人票で引きつける手法」を解説します。

執筆者プロフィール

(一社)中小企業人材確保支援協会 代表理事(0円求人コンサルタント) 山崎広輝

山崎広輝
(一社)中小企業人材確保支援協会 代表理事(0円求人コンサルタント)
info@miraino.biz
ハローワークで20年間、毎月200人採用してきたMBA社労士「中小企業診断士事務所みらいの経営代表」元大東ビジネスセンター(株)代表取締役 https://www.miraino.biz