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■「中小建設企業の会社法」=第6回 〜会社法活用による社員のヤル気の高め方〜

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新会社法施行前は、利益の配当回数は、通常の配当と中間配当の年2回となっておりました。新会社法が施行されて、配当は、株主総会の決議により、いつでもこれを行うことが出来るようになりました。
また、新会社法では、金銭以外の財産で配当を行うことも可能となりました。例えば、自社商品等で配当を行う、「現物配当」を行うこともできます。つまり、会社に金銭がなくとも、配当できることになりました。ただし、現物配当の場合は、原則として、株主総会の特別決議(総株主の議決権の過半数を有する株主が出席し、かつ、その議決権の3分の2以上の賛成)が必要となります。
 さらに、配当等を行う場合、純資産額が300万円未満の場合は、剰余金があっても配当を行うことはできません。また、配当だけではなく、自己株式の有償取得や相続人に対する売渡請求等は、会社財産が株主に払い戻される行為として、「剰余金の分配」として、整理されており、分配可能額を超える剰余金の分配を禁止するという「財源規制」が設けられました。なお、分配可能額を超えて、剰余金の分配を行った取締役、その行為に同意した取締役は、その分配額を弁済する責任を負うことになります。
 今回の剰余金の分配方法の変更を活用して、社員のヤル気を高めることができます。具体的には、社員に株式を持たせ、配当への期待を高めることで、給与以外のインセンティブを付与することが可能となります。また、会社の業績向上に関心を持たせることが可能となり、会社に対するロイヤルティの向上も期待することができます。

建設業法実務研究会 http://www.primoss.jp/kgk/

執筆者プロフィール

建設業法実務研究会 山北浩史