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街の新建築物紹介

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建通新聞大阪
東奔西走
《建滴》厚生労働省は、ユニット型特別養護老人ホームなどの居室面積基準を引き下げる。「指定介護老人福祉施設の設備及び運営に関する基準」などの関係省令を改正し、9月中に公布、即日施行する予定だ。高齢化が進行し、居住型介護施設への入所希望者が増加しているいま、建設コスト削減という美名のもとに、お年寄りの「終の棲家(ついのすみか)」の生活空間を、いとも簡単に削ってしまってよいのか。
 現行のユニット型居室面積は、指定介護老人福祉施設(特別養護老人ホーム)、同老人保健施設、同介護療養型医療施設、同地域密着型介護予防サービスともに、施設それぞれの基準省令によって個室の場合、1人当たり13・2平方bが標準となっている。改正案は、これを2・55平方b縮小し、多床室(4人部屋)1人当たりの面積とほとんど変わらない、10・65平方bに改めようというものだ。
 背景には、ユニット型介護施設の建設需要の多さに反して、都道府県などに交付する施設整備費の財源が逼迫しているという財政事情がある。
 長妻昭厚労相から改正について諮問された社会保障審議会介護給付分科会では、反対意見や慎重な検討を求める意見が相次いだ。永年にわたって、特別養護老人ホームなどの多床室の個室化や生活空間の改善を国に働き掛けてきた介護事業関係者や学識者などからすれば、今回の改正は「先祖返り以外の何ものでもない」(分科会委員)からだ。
 それでも介護給付費分科会は、大森彌会長(東京大学名誉教授)が「9月に予定している省令改正まで時間がない」ことを理由にして改正案への同意を委員に求め、即日、厚労相に答申した。 
 審議会とは名ばかりの、露骨なまでの「改正ありき」の議事には、「政治主導」に名を借りた長妻厚労相の強い意向が働いていることは明らかだ。
 4月の閣議後会見では「(ユニット型の)広さを相部屋(多床室)一人当たりのスペースとほぼ同じスペースにすると、自己負担も下がり、建設も(しやすくなり)定員も確保しやすくなるのではないか」と発言。「そうした考えのもと、そういう対応をしようと(社会保障)審議会にお願いしたい」と話していたほどだ。
 厚労省は、居室面積基準の引き下げによって、平均入所定員68・8人の施設の場合、1施設当たり約6300万円、借入利息約840万円の合計7140万円の建設コストを削減できると試算する。
 現在の厳しい財政事情の中では、削減した建設コストをシェアする(分け合う)という考え方は、確かに一つの選択肢ではある。だが、削減しようとしている対象がお年寄りが余生を送る「終の棲家」だということを忘れてはなるまい。
 厚労省は、建設コストの削減が、生活空間としての質の低下を招かないよう、もっと慎重かつ丁寧にこの課題を検討しなければならない。
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