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建滴 水道分野の官民連携 将来像を描き共有を

2011/12/26 神奈川版 掲載記事より

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水道事業の経営基盤が大きく揺らいでいる。人口減少社会の到来や産業構造の変化が、上水道・簡易水道事業や工業用水道事業経営の前提であった供給人口と水需要を減少させ、料金収入が減少し続けているからだ。民の技術・ノウハウを積極的かつ柔軟に活用しないことには、官だけの力で水道事業を持続させていくことは難しい。水道事業体に余力のある今のうちに、官民双方がインセンティブを享受できる「官民連携(PPP)」の将来像を描き、共有する必要がある。
 水道事業の経営を脅かしている最大の原因は、人口減少に伴う料金収入の減収だ。
 日本の総人口は2004年の1億2778万人をピークに減少へと転じている。この年を境にして毎年83万人の人口が減り続けており、2100年の日本の総人口は明治後年期と同程度の4771万人にまで減少するとの推計もある。
 例えば、100世帯の水道料金総額を維持しようとした場合、世帯数が2割減の80世帯なら1世帯当たりの水道料金は125%アップになるし、世帯数が5割減の50世帯なら200%アップにせざるを得なくなってしまう。
 少子・高齢化も大きな影を落としている。水道事業体の総職員に占める技術・技能職の50歳以上の職員数は43%を超え、55歳以上は全職員のおよそ3割近くを占めている。水道事業体は職員の技術力低下を懸念、特に事故対応や危機管理能力の低下に対する不安を抱いている。
 こうした水道事業経営の大きな環境変化に対応する手段・手法として、水道を所掌する厚生労働省と工業用水道を所掌する経済産業省、それに水関連産業の一部の企業が注目しているのが「官民連携(PPP)」だ。
 近年、PFIや包括委託、あるいは指定管理者制度を活用したPPPに取り組む水道事業体が増えてきている。だが、水道事業体それぞれの経営に対する危機感には温度差がある。その上、水道事業の持続性をコスト削減から考えがちな水道事業体と、自らの技術・サービス価値の最大化を模索する民間企業との間にある意識の隔たりは決して小さくない。
 「水」ビジネスをめぐっては、新興国や東南アジア諸国の人口増加や経済発展を見てとって、国内企業も世界市場に積極的に参入すべきとの声がある。
 しかし、装置(計装)・設計から運営・管理分野までを含めたサービス提供が求められる海外市場に参入することは容易ではない。そうした技術・ノウハウを自分たちがまだ十分集積できていないことを、水道に関与してきた官民の関係者はともに知っている。
 安心・安全な水道事業を持続させるための官民連携モデルは、海外展開を推し進めるツールにもなり得る。水道事業体と民間企業は知恵を出し合い、将来を描くことのできる官民連携モデルを早急に生み出さなければならない。残された時間は決して多くはない。

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