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生産性を上げ、人に投資したい

2017/9/25 東京版 掲載記事より

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2016年7月1日施行の中小企業等経営強化法に基づき、国土交通省が建設業分野に係る経営力向上に関する指針を策定し、公布したのが同年10月13日。あれからまもなく1年を迎えようとしている。中小企業庁がまとめた7月末現在での建設業における経営力向上計画の認定事業者数は3625件。国交省によると、6月と7月の1カ月当たりの認定数は1000件を超えており、関心の高まりがうかがえる。
 中小企業、小規模事業者、中堅企業が同法に基づき経営力向上計画を作成し、各地方整備局長の認定を受けると、日本建設機械工業会の証明対象となる建設関係機械などを新規で取得した場合の固定資産税の軽減措置や、金融支援が受けられる。国交省が定めた指針からは、優遇措置の背景にある企業側に求めている核心が読み取れる。それは、人への投資を実現させるために、いまできる生産性向上に取り組んでほしいということだ。
 技能労働者数は15年度の時点で約330万人。このうち55歳以上が約112万人で、全体の約3分の1だ。一方、29歳以下の若手は約36万人で、ほぼ1割程度に過ぎない。高齢化はさらに進む。10年後には多くの技能労働者が引退していく中で、技能労働者の確保・育成や技能の継承は、まさにまったなしの課題となっている。
 安定的に新規入職者を受け入れ、熟練工が安心して働き続けられる企業にしていくには、経営基盤の確立、安定が不可欠。そのために、自分の会社は何をすべきか。経営力向上計画は、その「気付き」の機会を提供することが狙いの一つだろう。
 同計画の作成に向け、国交省が策定した建設業の事業分野指針には、自社の強みを直接支える項目として「人」「財務管理」「営業活動」「新技術・工法の積極的導入」の四つを挙げた。ICT施工の実施や、働き方改革にも通ずる人材の効率的な活用といった生産性向上につながる取り組みを促している。20人未満の小規模事業者であれば、先の四項目のうち、一つの事項に取り組むことで認定を受けることができる。認定のハードルの定め方を見ても、経営強化への具体的な一歩を踏み出すことに重きを置いていることが分かる。
 以前取材で訪れた塗装会社がある。30人規模の典型的な中小企業だが、若者や女性の雇用にチャレンジし、技術・技能の継承や働く喜びを形にしていこうと、早速認定を受けていた。人への投資に対して意識を高く持つ経営者たちは、より健全な経営に向け国が支援するこうした動きにもすぐに反応している。
 約46万の建設業許可業者のうち、資本金の額が300万円以上500万円未満の法人が10万超と最多を占る。規模の小さな法人が建設業の屋台骨を支えている。中小の事業者が優秀な人材を獲得していくためには、働き手が自分の将来を託そうと思える企業であることが必須の条件となる。その裏付けの一つとなるのが、生産性向上によって生み出された、他社とのすみ分けができるほどの明確な自社の絶対的な強みだろう。生産性向上から人への投資につなげるそのツールであり、一つの機会として、経営力向上計画を活用したい。

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