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建滴 大規模修繕、不適切取引解消への熱意示せ

2018/3/5 

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日本全国で約630万戸が供給され、約1400万人が暮らしている分譲マンション。このうち、すでに100万戸超が建築から30年以上経過しているという。わが国の住宅政策が「良質な住宅ストックの形成と有効活用」にシフトしつつある中で、マンションの長寿命化を担う大規模修繕の施工業者や設計・コンサルタントが果たすべき役割も、今後より一層大きくなる。
 しかし、残念なことに大規模修繕工事の発注過程で、不適切な取引の実態があるとの指摘がある。その典型は、設計・コンサルタントと施工業者間の職業倫理に反する行為だという。
 仮に、管理組合が選定したコンサルが施工業者にリベートやキックバックを要求・受領しているとしたら、割高な工事費や低品質な施工をもたらし、マンションの居住者にとどまらず、全ての大規模修繕の関係者が不利益を被ることになる。このような取引が業界内で横行すれば、大規模修繕に関わる全ての企業の信用が損なわれる。わが国のマンションストックの流通・活用促進にも深刻な打撃を与えかねない。
 この状況に危機感を抱いた大規模修繕の関連団体は、不適切取引の解消に向けて動き出している。
 マンションの管理・施工関連4団体で構成する「マンション計画修繕工事適正取引推進協議会」は2017年11月、適正取引に関する申し合わせを行い、会員企業への倫理綱領順守の徹底や、適正取引に関する指導の実施などを盛り込んだ。
 協議会には、不適切な取引事例の実態を把握し、公表するようお願いしたい。取引の内容を周知し、注意を促すだけでも一定の抑止効果が期待できるだろう。
 これまで全国団体が存在しなかった改修設計コンサルタント業にも昨年12月、「マンション改修設計コンサルタント協会」が発足した。業務の標準化などの取り組みを通じて、不適切な取引の解消を目指すという。標準契約書や教育の在り方などを検討し、将来的には専門技術者を養成する認定資格の創設を見据えている。
 ただ、国土交通省が不適切取引に警鐘を鳴らそうと「設計コンサルタントを活用したマンション大規模修繕工事の発注等の相談窓口の周知について」という通知を出してからだけでも、約1年という月日を費やした。情報が錯綜(さくそう)したこともあり、コンサルや施工業者に不安や不信感を抱いた管理組合は少なくないだろう。この間、通知の意図を深く受け止め、不適切取引の根絶に向けて行動した企業がどれほどいたというのだろう。
 今後、大規模修繕や改修の周期を迎えるマンションはさらに増加する。コンサルや施工業者にとどまらず、マンション流通に携わる事業者全体で、これまでの価値観や慣習をゼロベースから見直し、不適切な取引を解消するためのモラル形成や仕組みの構築を急ぐべきだ。
 今の危機的状況を正しく認識したい。そうでなければ、優れた技能者の確保はおぼつかず、結果的に施工の品質も脅かされてしまうことになるだろう。関係者はこれまで以上に問題意識を共有し、マンションの維持・管理に対する信頼を守りたい。

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