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建設業の労働災害 減少を確かなものに

2023/1/30 

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厚生労働省がまとめた労働災害発生状況の速報値(1月10日現在)によると、建設業では2022年の1年間に全国で265人が死亡、1万5844人が死傷した。21年に比べ死亡者数は9人の減。一方、死傷者数は988人の増だが、新型コロナウイルス関連を除けば1万3359人で、416人の減となっている。過去最少の20年以来2年ぶりに減少に転じたこの状況を確かなものにするため、工事現場の安全対策をいっそう推進していかなければならない。
 ここ数年の経緯を振り返ると、厚労省は18〜22年度を期間とする労働災害防止計画で、建設業の死亡災害を17年に比べ15%以上減らす目標を設定。「墜落、転落」災害の防止をはじめとした対策の実施を重点事項に据えた。建設業労働災害防止協会も期を合わせた5カ年計画を定め、重篤度の高い災害を減らそうと取り組んだ。
 その結果、確定値ベースで17年に323人だった死亡者数は年を追うごとに減り続け、20年に過去最少の258人を記録。死傷者数も17年の1万5129人が、20年には1万4977人と過去最少になった。
 ただ、21年は一転して死亡者数が288人、死傷者数も1万6079人とおよそ1割増加。厚労省は人材不足や建設投資の上昇などを背景に挙げた。
 こと21年の初めから死亡者数が急増した東京では、労働局が工事現場の集中的な指導を通じて、労働災害を巡る現場管理者の「実感」を調査。回答の上位には▽作業の慣れ▽危険意識の低下▽高年齢労働者や未熟練労働者の多さ―とともに「コミュニケーション不足」が並んだ。
 ウイズコロナの下で講じた3密回避策(朝礼の時間短縮、リモート開催など)が安全に関わる緊密な意思疎通を阻んだ可能性もある。
 その中で、22年にとりわけ死亡者数を減少できたのは、行政と業界、元請けと下請けが立場や垣根を越えて危機感を共有し、連携を深めた成果だろう。
 だが、速報値を地域別に見れば、死亡者数は神奈川が21年の18人から9人と半減し、大阪が3人減の12人、三重が1人減の5人、岡山が2人減の3人にとどまった反面、24人で最多の東京と5人の岐阜は同数に達した。12人で並ぶ愛知と静岡はそれぞれ8人、2人の増。愛媛も2人増の5人が命を落とした。全体に占める「墜落、転落」災害の割合は依然として4割に上る。
 その意味では今後も労働災害の推移を注視し、発生の要因を踏まえてより効果的な手だてを講じる必要がある。無理をせざるを得ない工程は労働災害に直結する恐れがあるだけに、適正な工期設定や時間外労働の上限規制に対する発注者の理解も不可欠だ。
 厚労省と建災防はともに、労働災害の防止に関わる23年度からの次期計画を策定する。厚労省では27年までに、事業場の「墜落、転落」に対するリスクアセスメントの実施率を85%以上にして、死亡災害を22年比で15%以上削減するとの指標を掲げる見通しだ。
 社会資本整備を担って国民の安全・安心を実現する建設業は、業界自体が安全で安心して働ける場でなければならない。改めて労働災害の防止に向けた決意を示そう。

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