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建滴 ゼロゼロ融資返済で増加する企業倒産

2023/10/2 

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この20年間、一貫して減少傾向にあった建設業の倒産が増加している。東京商工リサーチのまとめによると、2023年に発生した倒産件数は8月までに1090件、前年同期に比べて42・9%増加し、22年の年間1194件にほぼ並ぶ勢いだ。同社は建設業について、コロナ禍に実施された中小企業向け実質無利子・無担保の「ゼロゼロ融資」の返済に加え、「資材価格の上昇に人手不足も重なり、資金繰りは厳しさを増している」と懸念する。ただ、経済調査による建設経営者の景況感は決して悪くなく、倒産件数の推移をクローズアップし過ぎると、業界の実態を見誤ることになるだろう。
 1〜8月の倒産件数を子細に見ると、建設業が他の産業に比べて特に深刻なわけではない。東京商工リサーチのカテゴリー10業種中、倒産件数の増加率で建設業は金融保険、情報通信、製造業に次ぐ4位だ。たしかに、ゼロゼロ融資という化粧を落とした今年はこれからも倒産が増加し、コロナ前の年間1400件台、あるいはそれ以上のリバウンドがあるのかもしれない。しかしこの20年、建設業の倒産件数は一貫して減少傾向にあり、03年の5113件と比べれば数分の1の水準だ。大局的に経営の改善は進んでいると見ていいだろう。
 建設業の経営者は、景況感についてどう思っているのか。信金中央金庫が四半期ごとに実施する全国中小企業景気動向調査によると、建設業の23年4〜6月期の業況DIはマイナス1・3と全6業種(建設業、製造業、卸売業、小売業、サービス業、不動産業)の平均であるマイナス7・4%を大きく上回る。7〜9月期の見通しについては、平均がマイナス5・6のところ建設業はプラス2・0と全業種で最も高い。人手不足、資材高、時間外労働の上限規制適用など心配は尽きないものの、目先の経営マインドは意外と明るいことがうかがえる。
 企業を支援し、時に生殺与奪を判断する金融機関も、産業としての建設業に警戒感はないようだ。神奈川県最大手の信用金庫で中小建設業との取引実績も豊富な担当役員に聞くと、「建設業の景気が悪いという印象は全くない」と話す。むしろ「コロナ前にはそれなりにあった設備投資を控えている」と、余剰資金を手元に置きがちなことを残念がる。
 建設投資がピークを打って以降、二十数年間、建設業許可業者数が2割も減少する厳しい時代を生きる過程で、多くの企業は堅実な経営を身に付けたのではないか。実際、公共事業の元請けクラスの倒産はほとんどなく、ここに来て増えている経営破綻も、不幸にして経済の荒波にのまれた零細企業がひっそりと退場しているものが多い。
 企業の倒産は、ゼロゼロ融資もあってこの3年間は記録的な低水準で推移した。今年に入って同融資の返済が本格化し、来年4月にピークを迎えるが、そのことは織り込み済みのはずだ。金融機関が貸し渋るような経済状況にはなく、建設業への融資を敬遠する姿勢も見られない。建設業は倒産の一時的な増加に惑わされることなく、引き続き事業基盤を強化し、胸を張って健全な業界であることを示してほしい。

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