「新たな命の道」へ熊野尾鷲道路が全線開通|建通新聞社

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紀伊半島一周高速道路網へ一歩前進

9月29日午後3時、「新たな命の道」がまた一歩前進する。熊野尾鷲道路のうち三木里インターチェンジ(IC)から熊野大泊ICまでの延長13.6`が開通し、2008年に開通した尾鷲南ICから三木里ICまでの延長5`と合わせ、延長18.6`の熊野尾鷲道路が全線の供用を開始する。東紀州地域の最後で最大の矢ノ川峠、佐田坂を回避し、国道42号を走行する場合と比べ、距離が約26`から約19`に、所要時間が約36分から約16分になる。尾鷲と熊野間の移動時間が約20分短縮され、防災機能の強化や地域観光の振興、地域医療圏の拡大などに大きな期待が持てる。「陸の孤島」と呼ばれる紀南地方にとっては悲願だった高速道路。今後は熊野大泊以南の紀勢線の早期事業化が望まれる。  

 

国道42号に接続する熊野大泊インターチェンジ (左側)手前の熊野宮川橋

熊野尾鷲道路の橋梁の中で 一番長い新湊川橋(374m)

「近くて遠い尾鷲と熊野間」
矢ノ川峠を越える矢ノ川、弓山、大又の3トンネルと千仭、万丈、帰山の3橋梁が完成し、現在の国道42号が開通したのは1968年。
それまで2時間半以上もかかっていた尾鷲市と熊野市間の移動時間は1時間弱にまで短縮された。

しかし、国道42号は大雨などの影響による交通規制が度々発生し、小阪峠や佐田坂などの難所もあり、急勾配、急カーブが連続する区間は多い。
やはり尾鷲と熊野の間は近くて遠かった。



「三木里地区へのアクセス 飛躍的に向上」
紀勢自動車道と一体となって尾鷲・熊野地域への高速交通サービスの提供、災害に強い道路機能の確保などを目的に、尾鷲南ICから熊野大泊ICまでの延長18.6`の熊野尾鷲道路が事業化されたのは96年4月。
その後、99年6月に都市計画決定し、02年12月に工事着手した。
現在、三重県内で一番長い道路トンネルの新八鬼山トンネル(3992b)が貫通したのは07年度で、08年4月には同トンネルを含む尾鷲南ICから三木里ICまでの延長5`が開通した。
この開通により国道42号から尾鷲市三木里地区へのアクセスが飛躍的によくなった。

国道42号に接続する熊野大泊インターチェンジ (左側)手前の熊野宮川橋


「長大トンネルで時間と距離短縮」
熊野尾鷲道路は長大トンネルで移動時間と距離の短縮が実現できた。
新八鬼山トンネルをはじめ、11年度に貫通した延長3313bの大吹トンネルと延長3197bの亥谷山トンネルなど、5本あるトンネルのうち4本が長大トンネルで、トンネルの占める割合が73%にも上る。
橋梁は新湊川橋(374b)、新里川橋(296b)、熊野宮川橋(223.5b)など13本で約10%を占めている。
11年の12号台風では国道42号が複数箇所被災し、最大で約57時間の通行止めとなったが、熊野尾鷲道路はトンネル区間が長いため豪雨にも強く、大規模災害時には緊急輸送路として地域を支える。

また、路線高さは津波浸水高さ以上を確保しており、管理用施設を活用した避難場所提供などの取り組みも実施される。

「半島一周高速道路網の早期完成を」
総事業費1070億円の熊野尾鷲道路が全線開通し、総事業費260億円の熊野尾鷲道路U期(尾鷲北IC〜尾鷲南IC)は既に12年度に事業化済み、新宮紀宝道路(熊野川河口大橋)が13年度に新規事業化、尾鷲北ICまでの紀勢自動車道も全線が13年度に開通することを考えると、熊野大泊以南の早期事業化に期待がかかる。
紀伊半島一周高速道路網の完成は「陸の孤島」と呼ばれる紀南地方にとっては長年見続けてきた夢だ。
和歌山県側を見ると、高速道路は南紀田辺まで供用しており、15年度には南紀田辺とすさみ間、太地と那智勝浦間が開通を予定している。

残るは、すさみから太地間までの約38`と、熊野大泊から新宮までの約30`。
この両区間で南海トラフ大地震による巨大津波が発生すると、現在の国道42号は壊滅的な被害を受けるだろう。紀伊半島の「新たな命の道」のさらなる整備促進を願う。


鈴木英敬


熊野尾鷲道路全線開通に当たり
このたび、一般国道42号熊野尾鷲道路が全線開通の運びとなりました。
これはひとえに地元の皆様をはじめ、国土交通省等関係者の皆様方のご尽力の賜物であり、心からお礼を申し上げます。
熊野尾鷲道路は、今年度に海山ICと紀伊長島IC間がつながる予定の紀勢自動車道と一体となって、県南部地域の恵まれた自然環境、優れた歴史文化遺産、豊かな農林水産業を活かした地域相互間の交流・連携を促進するとともに、「新たな命の道」として地域の安全・安心を支える役割を果たすことと期待しています。
現在、本県では、三重の魅力を全国にPRするため、「三重県観光キャンペーン〜実はそれ、ぜんぶ三重なんです!〜」を展開していますが、9月28日、東京・日本橋への首都圏営業拠点「三重テラス」オープンを契機に、さらに三重の魅力を発信していきます。
今後、紀伊半島のミッシングリンク解消に向け、関係者の皆様には、尚一層のご支援、ご協力をお願いいたします。
 

岩田昭人


緊急時の「命の道」に期待
このたび、熊野尾鷲道路三木里IC〜熊野大泊ICの開通を心よりお祝い申し上げます。
これも、ひとえに、多年にわたり事業を推進してこられた国土交通省をはじめ関係機関の皆様のご協力とご尽力の賜物であり、深く感謝申し上げます。
この道路の開通により、熊野尾鷲間が約20分の短縮となり実際の距離短縮はもとより心理的な距離短縮の効果が大きいと感じております。この間の42号線には2つの峠があり、出水期には通行止めを余儀なくされることもありました。
このような心配が無くなり、生活道路としての活用のみならず「命の道」として災害時での緊急車両の通行により早期の災害物資の搬入や復興作業に期待ができます。また、時間短縮や峠道の回避により救急医療の面でも「命の道」であります。
この道路の開通により東紀州の市町が一体となり、熊野古道世界遺産登録10周年にも向け中京圏・関西圏からの集客に取り組んで参りたいと思っております。
最後に、関係各位の更なるご協力のもと近畿自動車道の全線開通を切にお願い申し上げます。
 

河上敢二


熊野尾鷲道路開通に寄せて
このたび、長年にわたる地域の悲願であった、高速道路開通の日を迎えましたことは地元として大変大きな喜びでございます。
これまでご尽力いただきました国土交通省、三重県をはじめとする関係者の皆様や地元の皆様のご理解、ご努力に対し深く敬意と感謝を申し上げます。
この高速道路の開通により東紀州地域へのアクセスが飛躍的に向上し、新たな地域づくり、産業経済・文化の発展に大きなチャンスが到来するものと期待を寄せております。
熊野市では、「高速開通!熊野!1億円キャンペーン!」としまして、高速道路を活用し、市を挙げて様々な歓迎イベントを実施しております。さらに10月からはキャンペーンを本格的に実施する予定で、毎月第4週に他のイベントと連携して花火の打上げを行うなど、高速道路を活用した地域の活性化実現に向けての第一歩をふみ出したところであります。
高速道路は、平常時においては病気やケガの際に高度医療を受けるための搬送に使われるほか、災害時には緊急車両の通行や医薬品、食料品などの運搬路として復旧支援に重要な役割を担います。近い将来に発生が危惧されている南海トラフ巨大地震発生時には、地域住民が安全・安心に暮らせるセーフティネット「命の道」として、大いに貢献することを確信しております。
結びに、熊野尾鷲道路(U期)と近畿自動車道紀勢線の早期全線開通を祈念申し上げ、お祝いとお礼の挨拶とさせていただきます。

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