ホーム > 特集 > 完成特集 > 静岡県奥野ダム小水力発電設備工事
静岡県熱海土木事務所が管理する伊東市鎌田の奥野ダムに、静岡県事業では初の導入となる「管理用小水力発電設備」が鈴与建設(静岡県静岡市)の施工で完成した。維持放水などを利用して、ダム管理用に使用する電力を発電する。
3月27日には完成式典が開かれ、4月から供用開始する。
ダム堤天端から50m下にあるゲート室に、発電機を設置し、ゲート室内のコンクリートをはつりした後、口径1200mmの既設配管に穴をあけ、バイパス管を設置した。バイパス管は最大口径500mm・延長15m。バイパス管の途中に、インラインプロペラ水車を使用した発電機を設けている。
小水力発電設備の設置により、ダム管理費のコスト縮減と再生可能エネルギーの利用推進を図っていく。
伊東市の二級河川伊東大川の河口から約6km上流に位置する奥野ダムの管理用小水力発電は、維持放流水等を利用してダム管理用に自ら使用する電力を発電するもので、静岡県事業では初の導入となります。
これは、東日本大震災後の計画停電や近年の再生可能エネルギーへの関心の高まり、技術の発展等を踏まえたもので、@ダムの管理機能の強化、A余剰電力の売電収入等によるダム管理コストの縮減、B再生可能エネルギー(水力)の利用推進による二酸化炭素排出量の抑制を目的としております。
平成22年度より調査・設計を進め、平成24年度より発電設備工事に着手、平成25年12月より試運転を開始し、この4月より発電・売電を予定しております。発電機の最大出力は120kwであり、年間で68万kwh(一般家庭120世帯分相当)の発電量を見込んでいます。
伊東市の安全・安心を確保する奥野ダム(通称:松川湖)は、年間約11万人が訪れる観光地のひとつであり、ダムの管理機能を強化するとともに、市や関係団体のみなさまとの協働により、今後も地域に愛されるダムや川づくりに努めてまいりますので、引き続きご支援とご協力をお願いいたします。
- 発注者 :静岡県熱海土木事務所
- 工事名 :奥野ダム小水力発電導入事業管理用小水力発電設備工事
- 工期 :13年1月30日〜14年3月14日
- 発電機 :<最大使用水量>0.64立方メートル毎秒
<有効落差>26.9m
<最大出力>120kW
- 発電電力量(年間):<最大出力量>110万kWh
<有効供給量>68万kWh
<ダム消費量>14万kWh
<発電可能量>54万kWh
- 位置 :伊東市
- 河川名:伊東大川
- 形式 :中央土質遮水壁式ロックフィルダム(堤高63m・堤長323m)
- 目的 :@洪水調節A伊東市の上水道B流水の正常な機能の維持
- その他:1989年度完成