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建設業許可に「解体工事業」

〜初の業種区分見直し〜

解体

 6月1日、建設業許可の業種区分に「解体工事業」が新設された。これまで、とび・土工コンクリート工事業の許可に組み込まれていた解体工事は分離・独立し、許可業者には、解体の実務経験や資格を持つ技術者を配置することが求められるようになる。建設業許可の業種区分の見直しは1971年に許可制度が始まって以来、今回が初めて。市場に与える影響などを考慮し、3年間の経過措置(技術者要件は5年)が設けられている。
建設業許可の業種区分は71年の制定から45年にわたり、総合2業種(建築、土木)、専門26業種の合計28業種で運用されてきた。
解体工事業が新設の業種に選ばれた背景には、解体工事をめぐる環境配慮に対する社会的な要請が高まっていることや、重大な公衆災害の発生が相次いだことがある。解体工事業者には、建設リサイクル法に基づき、都道府県への登録が求められていたが、建設業許可の業種を新設し、実務経験や資格を持ち、安全管理・施工方法・法令などに精通した技術者の配置を義務付け、適切に施工管理を行うことが求められるようになる。

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技術者資格=実務経験で主任・監理技術者に

 2014年6月の改正建設業法公布後、国土交通省は「解体工事の適正な施工確保に関する検討会」を立ち上げ、解体工事業の許可業者が営業所に専任させる技術者と現場に配置する技術者に求められる技術者資格を検討した。
2015年9月に委員会がまとめた報告書では、監理技術者の資格として▽1級土木施工管理技士▽1級建築施工管理技士▽技術士(建設部門または総合技術管理部門)―を選考。主任技術者資格は、監理技術者資格に加え▽2級土木施工管理技士(土木)▽2級建築施工管理技士(建築、躯体)▽1級・2級とび技能士▽解体工事施工技士―が適当と提言した。
ただ、これらの資格を持たない技術者も、必要な実務経験があれば主任技術者と監理技術者として認められる。主任技術者は、大卒3年以上・高卒5年以上・その他10年以上の実務経験、とび・土工・土木・建築・解体工事で12年以上の実務経験(うち解体工事で8年以上)、監理技術者は主任技術者の要件を満たし、4500万円以上の解体工事で2年以上の指導監督的な実務経験があれば現場配置などが可能だ。
また、土木・建築施工管理技士を保有し、解体の実務経験が1年に満たない技術者は、国交省に登録した解体工事講習を受講することを求める。

 

許可・技術者要件の経過措置

 

許可3年、技術者資格5年の経過措置

 解体工事業の新設では、これまで解体工事に携わってきた企業・技術者に混乱が生じないよう、許可・技術者要件・経審の経過措置が設けられる。
新設する解体工事業の許可は6月1日から許可行政庁で申請を受け付けるが、1日時点でとび・土工の許可で解体工事を施工していれば、19年5月31日までの経過措置期間中は引き続きとび・土工の許可のまま解体工事を施工できる。

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技術者要件には、21年3月31日までの経過措置を適用。15年度までにとび・土工の技術者資格に合格した者は、主任技術者や監理技術者と認められる。例えば、解体工事の技術者資格である1級建築施工管理技士は、解体工事に関する実務経験(1年以上)か登録解体工事講習の受講が求められるが、経過措置期間中は解体工事の実務経験がなくても、解体工事業の技術者とみなされる。

 

解体工事業の技術者要件

 

経審=P点の大幅変動を回避

 建設業許可に解体工事業が新設されることを受け、解体工事で入札参加資格申請を受け付ける公共工事の発注者が出ることも予想されるため、業種新設と同じ6月1日に経審にも解体工事が新設される。今後、発注者の判断しだいで、公共工事を元請けとして受注する場合、解体工事業者は解体工事の経審を受審する必要も出てくる。
経審に解体工事が新設されると、これまでのとび・土工の完成工事高は、解体工事を除いたとび・土工と解体工事に分離して計上することになる。ただ、解体工事を抜き出して完工高を計上すると、従来のとび・土工の完工高が減少する。
国交省は、とび・土工のP値に大幅な変動が生じる恐れがあるとして、経審にも19年5月31日まで3年間の経過措置を適用。1日以降、経審申請時の完工高は、解体工事を除いた「とび・土工」と「解体」に加え、とび・土工と解体を合算した「とび・土工+解体」の記入を求める。経過措置期間中は、このうちどの完工高を資格審査に使うかは、公共工事の発注者の判断に委ねる。

1人当たり2業種まで申請可能な技術職員数にも経過措置を設ける。解体に申請する技術職員が所属する企業では、とび・土工と解体の2業種を選択した場合に限り、さらに1業種を追加で申請できるようにする。

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解体工事追加後の経審申請の流れ

 

独立分野として「業」を確立

山眞幸北山知久

 

 2014年6月公布の改正建設業法に定められた、許可業種への「解体工事業」の新設。技術者要件や経営事項審査など、業種新設後の詳細が決まり、6月1日に施行された。一体で改正された品確法、建設業法、入札契約適正化法は、建設業許可区分への解体工事業の新設を残して全て施行済みで、これにより担い手3法が完全施行されたことになる。改正法の公布から施行まで、業種新設の制度設計の陣頭指揮をとった国土交通省土地・建設産業局の北村知久建設業課長に施策の狙いなどを聞いた。

 

北村知久

  ―建設業法を改正し、解体工事業を新設した狙いを聞かせてください。
「これまで、解体工事は、とび・土工・コンクリート工事業の一部として施工することができたが、老朽化したインフラの維持更新時代が到来したことで、解体工事の事業量は従来よりも増えている。今後も大きな伸びが見込まれ、建設業の一分野として認めるにふさわしい規模になると言える」
「他方、ここ10年以上にわたり、解体工事では社会的影響の大きい公衆災害が頻発している。建設業における独立分野として解体工事業を確立することで、専門性の高い業者を育成し、責任ある立場で施工してもらうことが必要だ」

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 ―解体工事業の建設業許可を取得する解体工事業者にどのようなことを期待しますか。
「建設業許可の業種として独立させるということは、その業種のプロになるということ。法律の考え方で言えば、業種は技術者要件と一体のもの。許可を取得するためには許可要件を満たす資格を持った技術者を主任技術者・監理技術者として配置しなくてはならない。解体工事業者のみなさんにはこうした法的な位置付けにとどまらず、この道のプロとしての自覚を持つことを期待したい」

 ―法律は1日に施行されたとは言え、許可・技術者資格・経営事項審査には経過措置が設けられました。
「建設業法が許可制となり、業種区分を見直したのは今回が初めてだ。業種を新設したことで、解体工事を担ってきた企業や技術者が仕事ができなくなったり、社会に混乱を招くことは避けなくてはならない。解体工事業者が解体工事業としての体制を整えてもらうため、経過措置を設ける必要があると判断した」
「大本になる許可の経過措置は2019年5月31日までの3年間。それまではこれまでと同じようにとび・土工の許可で解体工事を請け負うことができる。建設業許可の要件である経営業務管理責任者(経管)についても、とび・土工での経験を解体工事業としての経験とみなす」
「一方で、技術者資格の経過措置は5年間ある。この間は、とび・土工の技術者資格を持つ技術者を配置すれば解体工事を施工できるし、営業所の専任技術者としても認める」

 ―公共工事の発注に使われる経審にも経過措置が設けられました。
「経審に解体工事が新設されると、完成工事高などに影響が出る。単純にとび・土工から解体工事の完工高を除いてしまうと、本来のとび・土工の経審結果にも変動が生じる。このため、法施行後3年間の経過措置期間中は『とび・土工』『解体』『旧とび・土工』の三つの完工高を申請してもらうことになる」
「地方自治体が公共工事を発注する際、新業種をどのように活用するか見通せない部分があるため、どういった形で自治体工事が発注されても、経審で対応できるように経過措置を設けた」

 ―14年に一体的に改正された担い手3法はこの業種新設で全て運用段階に移ることになります。
「担い手3法成立後、まずは品確法の運用指針を優先して進めてきたが、解体工事業の新設が施行されたことで、法律的には一区切りということになる」



山眞幸

 全解工連の山前会長は、改正建設業法による「解体工事業」の新設について、「解体工事業の社会的地位の確立を目指す上で大きな転換期」だという認識を示した。また、業界内で今後、淘汰(とうた)が進む可能性も示唆した。

 ――建設改正業法に伴い「解体工事業」が新設された。解体業界にどういった影響がありますか。
「解体工事業の社会的地位の確立を目指す上で、とび・土工からの分離は大きな転換期と捉えている。当連合会が主導する解体工事施工技士が監理技術者要件には含まれなかったものの、主任技術者要件として認められた。目標としてきた国家資格に準じた位置付けと考えている。一方、2級土木施工監理技士と2級建築施工管理技士も同じ扱いで、専門業種以外に適用されるといった取り決めには複雑な思いもある」

 ――既存の「とび・土工工事」が2020年度まで適用される経過措置の期間中、どういった準備が必要でしょうか。
「昨年度は改正建設業法について、国交省の協力を得て全国8カ所で説明会を行ってきた。しかし、解体と産廃の兼業が多い地方、専業が主となる首都圏とでは受け止め方の違いもある。今回の改正法について、現時点では手探り状態というのが正直なところだ。20年度までの経過措置の期間中、新たな課題が出てくることは間違いなく、その都度的確に対応する必要がある。また、各発注機関の発注方式の選択など不確定要素も多い」
「解体工事業は建設業許可が必要のない500万円未満、許可が必要な500万円以上、総合的に難度が高くゼネコンなどの指導が必要となる大規模工事の3階建て構造。現在、解体工事の入札参加を東京都に申請している業者が100〜200社。さらに申請していない業者も含めると約300〜400社といわれる。こうした状況を踏まえると、競争が激化し、淘汰(とうた)される企業も出てくるのは避けられない状況。専門業者であっても経過措置期間に2級の土木・建築施工監理技士を取得するなど各社の企業努力が必要不可欠となる」

 ――建設産業では現在、将来の担い手となる人材の確保・育成が大きな課題になっています。
「地方の専業者は血縁や先輩後輩の関係などで若手を確保していると聞く。解体業と産廃処理業、土建業などと兼業が多いといった点でも比較的人を集めやすい状況にあるのではないか。しかし、人材不足は全国的に深刻な問題となっている。社会保険の未加入問題もある中、十分な給与を支払えば解決できるというものではない。現代の若者は仕事に応じた給料と休暇を重視している。業界各社は現在、ほとんどが日給月給制を敷いている。そうした点も見直す必要があるのかもしれない」

 ――解体業の今後の姿をどう見ていますか。
「ゼネコンの下請けという立ち位置や、ハウスメーカーとタイアップして小規模な戸建て住宅の解体を重点とする会社のほか、廃炉となった原発や高層ビルなど大型物件の解体を請け負う企業も少なからず出てくると考えられる。当連合会員は元請け、下請けのいずれにしても、4億〜5億円の解体工事を消化できる会社を目指すというのが現実的だ。もちろん技術者不足などの課題を乗り越えながら、全てをこなす総合解体業が理想だ。しかし、それぞれ得意な専門性を高めるために、各社の仕事のスタイルは分かれていくのではないか」

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各地で説明会

【高知県】
高知県土木部は、6月1日施行の建設業法等改正に関する説明会を5月26日から6月3日まで、県内4会場で開催する。
解体工事業を業種区分に新設することや建設業法上の金額要件を見直すことなどを盛り込んだ建設業法等改正が6月1日付で施行されることに伴い、建設業許可関係と経営事項審査関係についての変更点を説明する。
建設業許可関係では、解体工事業の業種区分新設、それに伴う許可申請書の様式変更、健康保険などの加入状況の変更届出、特定建設業許可および監理技術者などの配置要件について変更がある。
経営事項審査の審査基準についても、解体工事業の業種区分新設に伴い、申請書への記載方法や申請時の確認資料、経過措置、2017年度の入札参加資格などについて変更がある。
説明会の日時と会場は次の通り。
▽5月26日(木)午前10時〜12時、宿毛市総合社会福祉センター
▽5月30日(月)午後2時〜4時、高知県立県民文化ホール(オレンジ)
▽6月2日(木)午後2時〜4時、田野町総合文化施設ふれあいセンター
▽6月3日(金)午後2時〜4時、須崎市立市民文化会館

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【三重県】
三重県行政書士会(紀平昌人会長)は4月11、13、15日の3日間、県内の四日市、伊勢、津の3会場で、「解体工事業」の説明会を開いた。3日間で、建設業などの担当者、計218人が聴講した。
6月1日より建設業許可区分として新設される「解体工事業」についての説明会で、日本政策金融公庫が後援した。
解体工事業の新設に伴う経過措置により、2019年6月までは、「とび・土工工事業」の許可があれば解体工事が施工できる。解体工事業を営む建設業者は許可申請が必要になるため、建設業法の法令順守、新たな事業展開を考える建設業者に向けての制度説明を行った。


三重県行政書士会


【徳島県】
徳島県解体工事業協会(尾形正明理事長)は5月24日、徳島県建設センターで「2016年度改正建設業法」についての講演会を開催し、会員など約30人が受講した。
当日は、国土交通省四国地方整備局建政部計画・建設産業課の島田浩和課長を講師に招き、解体工事業追加に係る制度として、業種区分、技術者要件、経営事項審査について。その他の事項として、技術者配置などにかかる金額要件の見直し、とび・土工工事業の新たな技術者要件、建設業許可申請書における法人番号欄の追加などについての講演が行われた。


徳島県解体工事業協会



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