2016年12月に市長に就任した。就任して早々、市制120周年の節目を迎えたことに「このタイミングで市長に就任したことに運命を感じる」と語る。四日市市は、1897年(明治30年)に全国で45番目の市として誕生した。「この1年は120年の歴史をしっかり感じながら、先人たちの積み重ねてきたものをかみしめて将来につなげたい」と抱負を語る。2017年度1年を通して市民主催を含むさまざまなイベントが控えている。
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(2017/10/17)
【三重県】四日市市が市制施行120年
〜新図書館建設構想〜
――四日市市を取り巻く状況について伺いたい。
「四日市市は、人口31万人で三重県最大の都市。経済規模も大きくそのポテンシャルは高い。財政力指数も1を超え、東芝メモリをはじめさまざまな企業投資が進む産業の街。四日市港や石油化学コンビナートで栄えてきた歴史を持つが、今では内陸部の工場企業と合わせて両輪で産業を支えている。地方は疲弊していると言われているが、四日市市は底堅く力強い状況にある」
「18年度には新名神高速道路をはじめ、東海環状自動車道も員弁インターチェンジ(IC)から大安ICが開通する。港湾部では霞4号幹線が開通するなど道路網が着々と完成しつつある。新名神高速道路の開通により、京都まで約1時間30分で行けるようになるなど企業立地がさらに進むことが予想される。また、来年から四日市港に外国客船の寄港が始まる。4000人規模の寄港となることから、大きな経済効果が期待される。四日市港から伊勢志摩へ、または京都への玄関口として観光面においても注目されるようになる。現在でも四日市港では工場夜景クルーズが人気で年間約5000人が訪れる。11月には全国の10都市が加盟する工場夜景サミットが四日市市で開催されるなど盛り上がりを見せており、四日市市の大きな観光資源といえる」
――注目されるハード事業については。
「四日市市は、21年度に開催される三重とこわか国体に向け、スポーツ施設の整備には県内で1番力を入れている。投資額は総額200億円規模で、これらの施設が順次完成していく。18年度にはサッカー場やテニス場が完成する他、中央緑地では新体育館の建設が進んでおり、19年度に完成する。これらの施設は全国大会や世界大会も開催が可能なため積極的に誘致し、これからはスポーツの街としても大いにPRしていきたい」
「今後の事業として、新図書館建設構想や近鉄四日市駅西口の駅前広場構想などが進んでいる。新図書館建設構想(中心市街地複合拠点施設)はスケジュールなど詳細は具体化していないが、施設整備に向けて基本的な考え方や市民の意見聴取の場としてシンポジウムや懇談会を進めている。また、近鉄四日市駅西口の駅前広場構想では、基本構想検討委員会を開催するなど具体化に向けた準備を進めている。現在の点在するバス乗降場を集約することで利便性を高め、市民が集えるような場を確保したい」
「四日市市は産業集積が図られている都市のため、インフラ整備により企業の利便性が向上していくことは市にとっても大きな意味がある。国や県にも積極的に働きかけ、市でできることは前向きに進めていきたい」
――市独自の入札制度について伺いたい。
「入札制度については、地元でできることは地元企業に任せていきたいという思いがある。今まで条件を広げ過ぎていたところもあり、地元企業の受注率が極端に少ない業種というのも存在した。地元企業を最優先するというのが原則で、16年度の入札案件では92.7%を地元企業が受注している。市長就任後、さらに地元企業を優先させる施策として6月1日に入札制度を改正した。各工事や業務レベルで地元企業の受注率を出し、極端に低い工事や業務ではなぜ低いのかを検証し、路面舗装や建築、電気、路面清掃、橋梁点検、建設コンサルタントなどさまざまな業種で地元企業条件を拡大した。実際に調べたところ、県内本店を認めるところもあったが、市内である程度の競争性が認められるものについては市内条件をつけた。まだ6月1日から始めたばかりだが少しずつ成果が出てきているところだ」
「同時に入札制度から企業を応援・育成していく目的で、工事の1級技術者要件を45歳までの若手技術者であれば2級でも認める制度を盛り込んだ。1級技術者に限定した場合、どうしてもある程度のベテラン技術者に限定されてしまい、1級技術者の人数は限られる。若手に限り2級を認めることで企業の若手採用の機会が増え、経験を積む機会が増えることから人材育成につながる。現場からも歓迎する声を聞いている」
(2017/10/17)
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