清須市は、豊かな水辺空間がある名古屋近郊に位置し、2027年のリニア中央新幹線の開業が控え、快適で魅力に満ちたまちづくりに一層の期待が集まる。8月に市長に就任した永田純夫市長に、今後のまちづくりについて聞いた。
――市長に就任しての抱負を聞きたい。
「先の市長選挙において、市民の皆さま方から信任をいただき、清須市長として市政に携わることとなった。16年末に清須市の行政運営の新たな指針として策定した『清須市第2次総合計画』で目標とした、『水と歴史に織りなされた 安心・快適で元気な都市』の実現に向け、総合計画で定める施策を着実に実行しながら、今回の選挙で掲げた公約について、スピード感を持って実施していく」ル)。既設の電柱18本を取り除く計画だ。
――「名鉄名古屋本線高架化事業」や「土地区画整理事業」の促進はどうか。
「本市は三大都市圏に位置し、その中でも豊かな水辺空間がある。さらに、27年にリニア中央新幹線の開業が控えていることから、恵まれた立地条件を生かして、便利で快適かつ魅力に満ちた、活力あるまちづくりに取り組んでいく」
「現在、取り組んでいる名鉄名古屋本線新清洲駅付近鉄道高架事業や、枇杷島橋や清洲橋の架け替えに伴う幹線道路の整備については、国・県等と連携し、着実に進めていく」
「また、現在4カ所で行われている土地区画整理事業についても、早期完成に全力で取り組む。市施行による土地区画整理事業を進めている、新清洲駅周辺地区は、16年11月に仮換地指定を行い、建物等の移転補償を進めるとともに、18年度から工事に着手する予定。この土地区画整理事業は、名鉄名古屋本線の鉄道高架事業(県事業)に必要な仮線用地の確保など、鉄道高架事業と密接に関係しているため、関係機関と協力して整備していく」
――排水ポンプ場や雨水幹線、防災センターの整備についての考えは。
「本市は、2000年に東海豪雨で甚大な被害を受けた地域。東海豪雨以降、特に防災対策には注力してきたが、この姿勢は今後も変わるものではない。さらに防災対策を推進し、安全で安心なまちづくりを進める」
「排水ポンプ場などについては、都市型水害に対応するため、土田幹線をはじめとした雨水幹線の整備や、老朽化の著しい堀江ポンプ場・豊田川ポンプ場の耐震・長寿命化、雨水貯留施設の整備を進める。さらに、新たに建設予定である西清洲ポンプ場の用地買収を進め、早期供用開始に向けて関係機関などとの協議調整を行っていく」
「防災センターについては、16年度に市役所北館に災害対策本部室を整備し、災害対応能力の向上を図ったところ。次の対策として、防災倉庫の機能を持った防災センターの整備が必要であると考えている。市内には庄内川、新川および五条川の三つの河川が流れており、災害時には市内が分断されてしまう可能性がある。そのため、新川ふれあい防災センターを拠点とした、各地区における防災センター機能施設の整備に向け、調査研究を進めていきたいと考えている」
――企業誘致の促進について。
「本市は、名古屋市から近い立地や名古屋第二環状自動車道、名古屋高速道路、国道22号・302号などの充実した道路網と、多方面に向かうインターチェンジを備えており、製造・物流業を中心に、企業立地のニーズが高い地域」
「この地の利を生かし、これまでも航空宇宙産業などの高度先端産業の立地を図り、地域の活性化や雇用の拡大、市の産業の高度化を推進してきた。今後も愛知県と連携した補助メニューを活用しながら、将来有望な高度先端産業の立地を推し進めしていく」
――名古屋市との合併についてはどうか。
「名古屋市との合併は、市民の皆さまが真に幸せになるのであれば、合併を否定するものではない。そのような機運が生まれた時には、議会をはじめ、市民の皆さまとともに考えていきたいと思っている」
――地元建設業者に期待すること。
「地域の建設業者の皆さまには、日頃から市の行政の推進に貢献していただいている。災害時の初動・復旧活動をはじめとした、冬季の融雪剤散布や日常の施設管理では、幅広い知識と経験に基づき、迅速かつ適確な対応をしていただいている」
「近年、日本各地で大雨災害やゲリラ豪雨が頻発しているが、本市は2000年に東海豪雨で甚大な被害を受けた地域。災害発生時の混乱の中で、本市を熟知した地元建設業者の皆さまの役割は非常に大きく、市民の皆さまの生命と財産を守るためになくてはならない存在。建設業者の皆さまには引き続きのご協力をお願いしたい」
(2017/10/20)