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(2017/10/20)

基盤整備に大きな役割
〜国土交通省徳島河川国道事務所 開所70周年〜

 

島本和仁


 国土交通省四国地方整備局徳島河川国道事務所が2017年5月に開所70周年を迎えた。吉野川の改修を担当してきた内務省土木局吉野川出張所がその前身で、1947(昭和22)年5月に吉野川工事事務所として開設した。以降、58(昭和33)年に徳島工事事務所への名称変更、64(昭和39)年に阿波国道事務所との合併や省庁再編などを経て2003(平成15)年に現在の事務所名に称変。現在では、河川管理区間(吉野川水系)は、吉野川、旧吉野川、今切川、鍋川、ほたる川で計114.4`。また、道路管理区間は国道11号、28号、32号、55号、192号で計247.7`とバイパス等区間計17.6`の総延長265.3`に及ぶ。四国管内最大の出先事務所として、「安全・安心に暮らせるための川づくり」、「より安全に、そしてより快適な道路づくり」を目指し、徳島県はもとより四国地方の根幹的な地域の未来を創る川づくり、道づくりに大きな役割を果たしてきた。その軌跡と抱える課題、そしてこれからの在り方について島本和仁事務所長に聞いた。

 

■事務所が果たしてきた役割と課題は

島本
 まず河川整備についてですが、吉野川は、日本三大暴れ川の一つにも数えられ、幾度となく洪水による氾濫を繰り返し、地域住民の生命や財産を脅かしてきました。事務所開設以降、吉野川第1期改修工事に着手し、堤防整備などの河川整備を進め、洪水による浸水被害の軽減に大きく寄与してまいりました。
また、雄大かつ豊かな吉野川の河川景観を生かした地域づくり、多くの生物が織りなす河川環境の保全など、環境面での整備を進めてきました。今後も災害のない安心して暮らすことのできる地域づくりを、また潤いと親しみのある吉野川づくりを目指してまいります。
一方、道路整備についてですが、当事務所は県内唯一の道路担当事務所であり、県内全域の直轄国道(11号・28号・32号・55号・192号)の改築・管理を行っています。広域ネットワークの基礎を担う国道の整備を通じ、道路の利便性・信頼性の向上に努め、地域の発展に貢献し続けたいと考えています。
目下の課題は、四国全体を接続する高規格道路ネットワーク「四国8の字ネットワーク」の整備です。四国横断自動車道「阿南〜徳島東」(新直轄方式)をはじめとして、県東部から南部にかけての高規格道路整備を最重要施策と位置付けています。渋滞緩和、物流支援の観点では、「徳島南環状道路」「阿南道路」等のバイパス事業も促進しており、段階的に供用区間を延ばしてきているところです。
ネットワークの信頼性向上も大きな課題です。南部の「日和佐道路」(2011年度全線供用)、西部の「猪ノ鼻道路」(20年度供用予定)などの事業により、荒天時でも通行できる幹線道路の整備を進めています。
また、高度経済成長期につくられた橋梁やトンネルなどの老朽化が進む中、維持管理の重要性は増す一方です。管内には吉野川大橋をはじめとしてメンテナンスを要する橋梁等が多数存在しており、限られた予算の中で計画的な点検診断・維持修繕に努めています。

 

徳島河川国道事務所庁舎

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■河川事業の管内状況

島本
 河川堤防の整備状況については、吉野川本川直轄管理区間のうち、岩津箇所より下流の堤防整備率は99%に対して、岩津箇所より上流の堤防整備率は65%程度となっており、いまだ多くの無堤箇所が残っています。無堤箇所については、早期に堤防整備を進めることが急務だと考えています。また、旧吉野川・今切川の下流域については、大規模地震に伴う液状化による堤防の沈下および地震に伴う津波の来襲により、大規模な浸水被害が想定されています。そのため、地震・津波対策については喫緊の課題と捉えており、東日本大震災を契機として、地震・津波対策を鋭意進めているところです。

 

ほたる排水機場


2加茂第一など


■これからの10年について

島本
 2017年7月の九州北部豪雨等をはじめとして、毎年のように全国で水害が発生しており、吉野川においても備えが急がれます。具体的には、吉野川上流部については、いまだ多くの無堤地区が残っているため、おおむね10年程度で全ての箇所において事業着手を目指し、治水安全度の向上を図ってまいります。また、旧吉野川・今切川については、南海トラフ等の大規模な地震に伴う津波への対応が懸念されており、河川堤防や水門・樋門の液状化対策、耐震化を早急に進めてまいります。このようなハード対策に加えて、万一の災害時に水防活動や復旧の拠点となる河川防災ステーションの整備も中鳥地区で併せて進めてまいります。
さらに、地域のシンボルとして慕われてきた吉野川の豊かな自然環境や河川景観を保全・継承をすると共に、河川空間を各種スポーツやイベントを通じた交流の場として有効利用するなど、自治体と連携して水辺空間の整備を図ることにより、地域の活性化にもつなげてまいりたいと考えます。
引き続き、吉野川流域の安全・安心のため、また親しみの持てる川づくりのため、必要な事業を着実に展開していきたいと考えています。

 

3徳長地区の液状化対策など


<ここ10年の主な事業のあゆみ>
2009年(平成21年)3月 角ノ瀬排水機場完成
2009年(平成21年)5月 美馬市水辺の楽校完成
2009年(平成21年)8月 河川整備計画策定
2010年(平成22年)3月 川島排水機場改築完成
2010年(平成22年)7月 今切川水辺プラザ完成
2011年(平成23年)7月 芝生箇所堤防完成
2014年(平成26年)3月 太刀野箇所堤防完成
2014年(平成26年)3月 加茂第一箇所堤防完成
2014年(平成26年)6月 ほたる川排水機場完成
2016年(平成28年)10月 芝生かわまちづくり完了
2017年(平成29年)2月 脇町第一箇所堤防完成

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文化の森周辺


4沖洲地区など


西山トンネル坑口


西山トンネル貫通状況


■管内状況について

島本
 道路整備の観点で徳島県を眺めた場合、県全体として山地が多く、巨大地震発生が予測される南海トラフにも近接していることから、各種の災害に耐える信頼性の高い道路ネットワーク整備が求められます。北東部、特に徳島市中心部では環状道路等が不足しており、四国全体でも有数の渋滞箇所が多数存在します。南部では津波浸水区間が多い一方で、高速道路の整備が特に遅れております。西部においては、急峻(きゅうしゅん)な地形を通る幹線道路において降雨・降雪による通行規制が多発しています。

■これからの10年について

島本
 徳島をはじめとして、四国は脆弱(ぜいじゃく)な地形、少子高齢化、極端な降雨特性など、さまざまな課題を抱えています。基礎的なインフラの整備においても、他の地域と比べ明らかに遅れている状況です。四国初の高速道路が開通して30年以上たちましたが、依然としてミッシングリンク(高速道路等未整備区間)が多く残っています。日常生活、生産活動の基盤となる広域ネットワークを一刻も早く整備し、住みよい環境を造り上げることが引き続き強く求められています。
また、自然災害への備えも忘れてはなりません。2011年の東日本大震災では、地震・津波の恐ろしさを日本中が実感したところです。徳島県においても南海トラフを震源とした地震・津波の発生が予想される中、信頼性の高い道路ネットワークの拡大・維持はますます重要性を増しているところです。
改築事業では、現在東部に注力している高規格道路の整備を南進する必要があります。南部では主要幹線道路が国道55号1本のみという状況であり、しかも多くの区間で津波浸水被害が予想されています。四国横断自動車道に続く地域高規格道路「阿南安芸自動車道」の南進により、沿岸部全体の利便性・安全性を向上させることが急務です。
改築事業だけでなく、維持修繕による信頼性向上も重要となります。大規模地震の発生時にも、損傷を限定的なものにとどめ、機能回復が速やかに行えるように既存施設の耐震補強を鋭意進めてまいります。


<ここ10年の主な事業のあゆみ>
2007年(平成19年)12月 阿南道路(阿南市津乃峰町)L=0.7km完成供用
2011年(平成23年) 4月 桑野道路事業着手
2011年(平成23年) 7月 日和佐道路事業完了(阿南市福井町〜美波町北河内)L=9.3km
2012年(平成24年) 4月 福井道路事業着手
2012年(平成24年) 7月 徳島南環状道路(八万町橋北〜大野)L=1.1km暫定供用
2013年(平成25年)11月 阿南道路(阿南市津乃峰町〜橘町)L=1.7km暫定供用
2015年(平成27年) 2月 徳島南環状道路(上八万IC〜徳島市八万町橋北)L=2.2km暫定部分供用
2015年(平成27年) 3月 徳島インター関連事業完了

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