2017年12月24日、三豊市長選挙で当選、市長に就任して2年目を迎える山下昭史氏。AI(Artificial Intelligence)など先進技術を取り入れ、さらに魅力ある三豊市の実現へ、さまざまな施策を展開する。@にぎわいが地域を元気にするまちA知・体・心を育み、自分らしく暮らせるまちB子どもが健やかに育ち、生涯笑顔で過ごせるまちC人と自然が守られる定住のまち−の四つの基本目標を掲げ、施政に取り組んでいく。発展し続ける「三豊」へ、どうかじを取るのか。山下市長に聞いた。
山下昭史(やました・あきし)三豊市長
【市長プロフィル】1966年9月生まれの52歳。三豊市高瀬町出身。瀬戸内海放送、香川県議会議員を経て2017年12月、三豊市長当選。
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(2019/3/17)
【香川県】発展し続ける三豊へ
〜AI導入で生産性向上を〜
■就任2年目の抱負は。
1年目でいろいろなアクションを起こしたが、当初想定していたよりもスピードが速い。一つ二つと形になりそうなものがあるので確実に形にしていきたい。リスクを恐れずに取り組む。
■基本目標についてお聞きします。「にぎわいが地域を元気にするまち」の取り組みは。
まずは観光アピール。このエリアは歴史的に見て観光産業がなかった。近年、父母ケ浜や荘内半島など観光客が増え、2018年度の交流人口は169万人を見込んでいる。しかし、ただ立ち寄って景色を見て帰るのでは意味がない。観光を産業にどう落とし込むかが課題だ。
■観光客が大幅に増えた要因は。
インスタグラムなどSNS(Social Networking Service)の効果は大きい。また、ニューヨークタイムズが今年行くべき世界の52選で「瀬戸内の島々」が選出されるなどメディアを通して広がっている。
■新しい組織については。
4月から「観光交流課」を設置して、観光の産業化に向けた動きや、観光客に対するもてなし、全国的な売り込みなどを担当する。
■AI(人工知能)については。
4月に東京大学大学院松尾豊研究室サテライトがオープンする。域内外の参画企業の受け付けや、自治体レベルでは丸亀市から西の4市3町が協議会に参画するのでかなり広域な動きになる。これをまとめるのが一般社団法人。行政とは一線を画した運営になる。
■AIへの取り組み、今後は。
大きな柱は人材育成。日本のAI人材は圧倒的に少ない。技術を持った高等専門学校生がAIを学ぶと即戦力のAI人材になる。松尾研究室と香川高等専門学校が連携し人材育成をしていく。この三豊のモデルが成功すれば全国の高専に広げることができる。年間1万人近くが卒業する高専生。その中の何割かをAI人材としてオールジャパンで輩出していける。また、育成過程で実証実験が必要になるので、それを地元企業の課題を解決するために用いる。AIを導入することで生産性向上に役立つなどの効果があると思う。
■スマート農業については。
農作物の栽培データや農作業のICT(Information and Communication Technology)化により作業の効率化を図る。松尾研究室サテライトと連携したAIの技術を農業に活用していく。若い世代が農業の分野に参入していってほしい。
■基本目標「知・体・心を育み、自分らしく暮らせるまち」の取り組みは。
緑ヶ丘総合運動公園のサッカー場の芝生をJピッチ用の天然芝に張り替える。J3「カマタマーレ讃岐」の練習拠点になるが、誘致するために芝の張り替えを行うのではない。市内7中学校のうちサッカー部があるのは仁尾と詫間の2校。サッカーのスポーツ少年団は4チームあるが小学校から中学校に上がったら部活がない。サッカーが好きでサッカーをやりたい子どもが中学校に上がると部活がない、サッカーできないのは理不尽。これは大人の責任。これを解消するためにカマタマーレ讃岐に出した条件は中学生を中心としたクラブチームに教室を開いて技術を教えてほしいということ。カマタマーレ讃岐側も地域に根差したプロスポーツなのでぜひ、やっていきたいと合意を得られた。子どもたちに夢を与え、選択肢を広げる象徴的な事業として取り組む。
■その他、緑ヶ丘総合運動公園で整備するものは。
サッカー場がカマタマーレ讃岐の優先練習拠点になるので、サッカー場南側の老朽化しているテニスコートを多目的広場に整備する。
■基本目標「子どもが健やかに育ち、生涯笑顔で過ごせるまち」の取り組みは。
永康病院の建て替えで4月から「病院建設準備室」を立ち上げる。建設場所は市有地である詫間町詫間6784-206他の7839平方bに新築する予定。19年度は基本設計を進め、一部実施設計までいきたい。新病院は120床ぐらいになる見込み。新築や既存施設の解体工事まで含めるなど、さまざまな発注方式を検討していくがローコスト病院を徹底する。22年1月の開院を目標に取り組む。
■基本目標「人と自然が守られる定住のまち」の取り組みは。
2018年7月の豪雨災害を受け防災マップを改訂する。引き続き未耐震住宅の耐震診断と耐震改修への助成を行う。
■グランドデザインについては。
現在、庁内で土地利用やゾーニングと拠点配置の考え方を検討している。三豊市全体を観光振興ゾーン、AI拠点ゾーン、行政ゾーンなどに分ける他、それを踏まえた上で「JR高瀬駅から本庁舎周辺」や「JR詫間駅から讃岐造船跡地までのエリア」は具体的な整備方針も検討している。グランドデザインは公表する予定だ。
■地元建設業に一言。
最大の地場産業。地域づくり、まちづくりに必要不可欠な存在。災害時には一番に駆け付け、復旧作業に当たってもらっている。これからも安全・安心なまちづくり実現へ協力してほしい。
(2019/3/19)
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