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(2019/03/06)

 

誰のためか、何のためか(第1回)

 

 深刻な建設業の技術者不足を背景に、高度なマネジメント能力を備えた技術者の育成が建設業界の大きな課題となっています。多くの学・協会が技術者の自己研鑽(さん)を支える仕組みとして運営している「継続学習制度」は、技術者の技術力を評価する際の基準の一つとして幅広い発注機関に取り入れられていますが、その一方で、平等な講習機会の確保や、技術の発展に応じた講習内容のアップデートなど課題も指摘されています。
「継続学習制度」をより良いものにするためにはどうすればよいのか―。

 

 建設業界の技術者不足が深刻化している。ハローワークによると2009年度に0.85倍だった建築・土木・測量技術者の有効求人倍率は、17年度には約6倍に達した。総務省の労働力調査を見ると、技術者数は13年度の27万人から増加し、近年は31万人前後を保っているものの、それを上回る勢いで人材への需要が伸びている形だ。人材不足を生産性向上で補うためには、高いマネジメント能力を備え、ICTなどの新技術を有効活用できる技術者の育成が喫緊の課題と言える。
とはいえ、技術力は一朝一夕に高められるものではない。国土交通省の「適正な施工確保のための技術者制度検討会」はこうした問題意識を踏まえ、「技術者の能力向上」や「より高い能力を有する者が評価される環境の整備」といった意見を17年度に提示。技術者の継続的な技術研鑽(さん)を促す仕組みづくりが必要とのとりまとめを行った。
技術者の自己研さんの履歴を記録し、第三者に対して証明できるようにするのが「継続学習制度」だ。基本的な仕組みは

@運営団体が認定する講習プログラムを技術者が受講
A学・協会が受講を認定
B受講証明に基づく履歴をデータベースに登録
Cこの履歴を基に運営団体が学習の証明書を発行―というもの。



認定される「講習」は、講演会や実地研修などさまざま。運営団体の多くは登録者に対し、一定期間内に受けるべき講習を推奨単位として設定し、技術力を担保しようとしている。
建設分野では、全国土木施工管理技士会連合会(JCM)が00年に、他の建設系学・協会に先駆けていち早く継続学習制度「CPDS」を導入。登録者数は17年度末時点で約16万人を超える。他にも多くの学会・団体が継続学習(CPD)制度を運営しており、JCMなど19団体が構成する「建設系CPD協議会」をはじめ、複数の学・協会で講習の情報や取得単位を共有する仕組みも構築されている。
技術者の研さんを「見える化」するこの継続学習制度を、多くの発注機関が技術力を評価する際の尺度の一つに活用している。CPDSの場合、国交省の各地方整備局や42道府県が総合評価落札方式で配置予定技術者の技術力評価に活用。また、愛媛県など17県では企業の入札参加資格の格付けに用いられている。
ただ、継続学習による技術者の能力評価は必ずしも十分ではないとして、より幅広い場面での活用を求める声も少なくない。
こうした意見を受けてJCMは18年に行った国交省との意見交換会で、監理技術者の兼務や、1級土木施工管理技士の実地試験の受験機会拡大にCPDSを要件として活用するよう提案した。
また、文部科学省の科学技術・学術審議会も、技術士資格への更新制の導入に際し、技術士CPDを要件に活用するよう提言している。
一方で、建設系CPD協議会の会員団体へのアンケートでは

▽講習が都市部に集中し、地方との間に受講機会の格差がある
▽出席するだけで単位を取得できる講演会などへの「行事参加」に受講が偏りがち―

といった課題も指摘されている。 建設系CPDがその信頼を増し、活用の場を広げるには何が必要なのか―。技術者の生涯教育に資する「学び」とは何かが問われている。

 

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