予定価格の公表 市区町村4割が“事前”
公共工事品確法の運用指針には、予定価格について、「適正な予定価格の設定により、受注者が適正な利潤を確保できる仕組みをつくる」ことと定められている。最新の労務単価と資材・機材の取引価格や、社会保険料などの実態を反映した積算を行うことが発注者の責務でもある。さらに、この予定価格を著しく下回るダンピング受注を防止するために、予定価格は「原則として事後公表」とすることも示されている。
ところが、2020年度の入札契約適正化法に基づく実施状況調査によると、全ての案件で予定価格を事後公表としている地方自治体は、都道府県16団体(全体の34・0%)、市区町村648団体(同37・7%)=表参照=となっている。案件によって事後公表と事前公表を併用している自治体を含めても、事後公表を採用している自治体は全体の半数にとどまった。
特に市区町村では、全案件を事前公表としている自治体が639団体(37・1%)あり、事後公表を全面的に採用している市区町村とほぼ同程度の市区町村が事前公表を採用している。
品確法運用指針によると、予定価格を原則事後公表とする理由について、予定価格を入札前に公表することが、適切な積算を行わない参加者の受注につながり、ひいては建設業者の技術力・経営力による競争を阻害することにもなると指摘している。入札価格が同額となり、くじ引きで落札者が決まる、といった事態にもつながりかねない。
ただ、実態は、事後公表によって引き起こされる情報漏洩のリスクを嫌い、事後公表への切り替えを躊躇する自治体が依然として多いようだ。運用指針では、事後公表とする自治体に対して、情報漏洩などの不正行為の防止を徹底する措置を講じるよう求めている。
求められるダンピング対策 最新モデル採用5割に満たず
工期に関する基準 「考慮している」は3割
公共事業の週休2日 実施率上がらず
平準化の「さしすせそ」 市区町村に遅れ
業務のダンピング対策 半数以上が未導入
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