工期に関する基準 「考慮している」は3割
建設工事の受発注者が適正な工期を設定するための「工期に関する基準」。国土交通省の中央建設業審議会(中建審)が策定してからまもなく1年が経つものの、基準を工期設定に活用している公共工事の発注機関は全体の3分の1にとどまる。適正な工期設定は、2020年10月に施行された改正建設業法の柱の一つだが、公共工事においても「浸透は道半ば」(国交省建設業課)の状況だ。
工期に関する基準は改正建設業法に基づいて作成。担い手の確保・育成に向けた具体的な取り組みの一つだ。中建審が作成した基準を見ると、工期全般について、自然要因、休日・法定外労働時間、契約方式、労働・安全衛生などで考慮すべき事項を記載。工程別でも、準備・施工・後片付けの各段階での留意事項を盛り込んでいる。公共工事、民間工事、下請け契約を含め、全ての建設工事の請負契約に適用される。
20年度の入札契約適正化法に基づく実施状況調査によると、工期の設定に当たり「工期に関する基準」を考慮している発注機関は、国で11団体(57・9%)、特殊法人等で62団体(50・0%)、都道府県で22団体(46・8%)、政令市で8団体(40・0%)、市区町村で606団体(35・2%)となった。基準を活用している割合は、国の発注機関よりも地方自治体のほうが低い傾向にある。
技術者・技能者の高齢化が進み、担い手の確保・育成が急務となっている建設産業。次代を担う若者の入職を促進するために、現場の長時間労働の是正は最優先課題だ。24年4月には建設業にも時間外労働の上限規制が適用される。民間工事での長時間労働を是正するためにも、まずは公共工事の発注機関が率先して工期に関する基準を活用し、適正な工期設定に臨むことが求められている。
求められるダンピング対策 最新モデル採用5割に満たず
予定価格の公表 市区町村4割が“事前”
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業務のダンピング対策 半数以上が未導入
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