平準化の「さしすせそ」 市区町村に遅れ
国土交通省が施工時期の平準化のために推奨する「さしすせそ」。平準化を着実に進めるための五つの施策について、それぞれの頭文字を並べたものだ。
五つの施策とは、「債務負担行為の活用」(さ)、「柔軟な工期の設定(余裕期間制度の活用)」(し)、「速やかな繰り越し手続き」(す)、「積算の前倒し」(せ)、「早期執行のための目標設定(執行率等の設定、発注見通しの公表)(そ)。
国交省では入札契約適正化法に基づく実施状況調査で把握した五つの施策の進捗状況を地域別、人口規模別にグラフ化する「見える化」に取り組んでいる。
見える化された20年度の調査結果を見ると、特に改善が進んだのは「債務負担行為の活用」だ。全ての都道府県・政令市で、工期が1年未満の工事に債務負担行為を活用するようになり、市区町村では19年度の498団体が763団体に増えている。速やかな繰り越し手続きは、都道府県で46団体、政令市で18団体が実施し、実施率がともに9割を超えた。市区町村では実施団体が倍増し1114団体となった。
ただ、人口10万人未満の市区町村で、債務負担行為や柔軟な工期設定での遅れが目立っており、国交省はこれまで人口10万人以上の市区を対象に行っていた個別のヒアリングを10万人未満の市区にも拡大する。都道府県公共工事契約業務連絡協議会と連携した指導も強化する。
施工時期が平準化されれば、労働力や建機、資材の稼働率が向上するため、企業の生産性は飛躍的に高まり、技能者の処遇改善にもつながる。平準化のシフトアップへ、市町村での一層の改善が求められる。
求められるダンピング対策 最新モデル採用5割に満たず
予定価格の公表 市区町村4割が“事前”
工期に関する基準 「考慮している」は3割
公共事業の週休2日 実施率上がらず
業務のダンピング対策 半数以上が未導入
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