建通新聞社

建設ニュース、入札情報の建通新聞。[建設専門紙]

建設業の調達サプライチェーン最前線 データ活用から取り組む業界の最適化【第5回】データ活用がもたらす持続可能な建設業の在り方

いいね ツイート
0

 最終回は建設業の工業化における歴史と、弊社が思い描く未来について紹介します。一品一様の建設部材でのマス・カスタマイズ生産は第1歩であり、これを起点としたサプライチェーン最適化の位置付けについて触れていきます。

■建設業の工業化における歴史
 弊社では建設業の工業化を「機械化、標準化、大量生産といった製造工場的な生産手法を取り入れて、生産性高く、高品質な建設プロセスを実現すること」と定義しています。世界的には18世紀後半から19世紀前半にかけて起こった産業革命が契機となり、素材/機械/社会インフラが複合的に発展したこと、また特に日本国内では高度経済成長、都市部での人口増加などによる旺盛な住宅需要によって工業化が加速した認識です。一方、第1次〜第5次産業革命と段階的に工業化レベルを上げて生産性が追求されてきた製造業とは異なり、新古典主義、歴史主義、モダニズム、ポストモダンなどと文化的な背景から揺れ戻しと定着を繰り返しているのが建設業だとも捉えています。
■未来のサプライチェーン最適化
 これは建設業が単に生産性を改善していくだけでなく、人類の歴史を創造的に紡ぎ続けるシンボルの一つであることを示唆している理解です。データ活用によるマス・カスタマイズ生産は先人たちが知恵や技術を磨き、生産性と創造性を追求してきた結果であり、これを起点に1500年近く続く人類にとって無くてはならない業界の持続可能性を高めること、そのためのサプライチェーンの最適化が我々の使命だと考えています。「建設業を最適化し、人々を幸せに。」※に向かって引き続き邁進して参ります。
 いかがでしたでしょうか?「建設業の調達サプライチェーン最前線 データ活用から取り組む業界の最適化」と題して、全5回のコラムをお届けしてきました。サプライチェーンマネジメントの一つの手段として購読者様のご参考になれば幸いです。

※株式会社BALLASのミッション。建設部材の最適な調達を実現するサービス「BALLAS」を運営し、建設工事会社が建設物の一部として使用する建設部材の作図から供給までを行う。

執筆者プロフィール

株式会社BALLAS代表取締役 木村将之(きむらしょうの)

木村将之(きむらしょうの)
株式会社BALLAS代表取締役
総合商社・双日株式会社で金属・資源分野の輸出入、事業投資、事業会社の経営支援に従事し、金属3Dプリンター事業の海外展開のため、欧州へ赴任。その後、製造業スタートアップ・株式会社Catallaxyでの経営企画責任者を経て、2022年2月に株式会社BALLASを創業。
株式会社BALLAS
https://www.ballas.biz/
建設部材の最適な調達を実現する「BALLAS」
https://business.ballas.biz/