建通新聞社

建設ニュース、入札情報の建通新聞。[建設専門紙]

■「社労士からみた建設業経営」=第5回=

いいね ツイート
0

まず、退職金制度でよく言われるのはポイント退職金制度です。これは従来から取り入れられている年功序列制度から従業員の会社への貢献度をポイント化し、それを退職金に反映させる制度です。
この制度の場合のメリットとしては、うまく活用することで従業員自身の士気があがり企業の業績貢献に寄与するのですが、一方で、運用を間違えると社内コミュニケーションの欠如等によりかえって企業にとってはマイナスにもなることもあります。
この制度自身、それに伴う人事考課制度の改革、考課者の教育が必須で、評価が正当であり、目に見えない貢献度を企業特性にあった評価として組み入れることが重要です。
また退職金制度自身を廃止し、現在の給与に組み入れて給与を支給する制度もありますこの場合、メリットとしては、退職金の積立が不要ですが、一方で、上乗せして支給されてもそれ自体給与としての性格になり各種保険や税金面では、会社側・従業員側も退職金支給の際の優遇措置を受けられないことや、前倒しのため、短期間に従業員も退職してしまう可能性も考えられます。
 これら制度には、それぞれ一長一短があり
制度選択にあたり、現在の企業のおかれた状況や職務内容含め十分検討し綿密なシュミレーションを行い労使とも納得できる制度改革をしていくことが必要です。
 現在、中退共、保険商品を含め多くの退職金制度改革をターゲットとしたものもありこれらの商品自体の性格を十分理解し制度改革をすることも大切ではないでしょうか。

執筆者プロフィール

冨田社会保険労務士事務所 冨田 正幸