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ZEBプランナー体験記
第8回 ZEBが果たす地球温化防止への貢献

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 近年、地球温暖化の影響と考えられる海面上昇や異常気象などが身近に感じられることで、より世界規模での温暖化防止策の実行が求められています。

 2015年11月には、COP21(国連気候変動枠組条約第21回締約国会議)でパリ協定が決議され、日本はCO2排出量を30年度に13年度比26%削減することを公約として掲げています。

 日本政府は当該公約を達成するため、建築物のCO2排出量の削減に資するZEBを、30年までに新築建築物の半分にすることを目標として掲げました。建築業界においても、地球温暖化対策に貢献する選択肢の一つとしてZEBへの関心が急速に高まって来ております。

 また、CO2排出量の削減には必要不可欠となる再生可能エネルギーについても、事業運営を100%再生可能エネルギーで調達することを目標に掲げる企業が加盟する国際イニシアチブ(RE100)への参加企業数の拡大や、家庭用太陽光発電の固定買取制度(FIT)期間が11月以降に順次満了することに伴う新電力会社などによる新しいサービスやビジネスの提案など様々な取り組みがあります。これらに対応するため国は、再生エネルギー電力を地域を超えて融通する送電線整備を進める考えを示すなど、再生エネルギーを使うための土台を社会全体に広げようとする動きも進みつつあります。

 このような動きはSDGs(持続可能な開発目標)の取組が盛んになって来ている背景ともなっており、投資の面においても、業績などの目に見える価値だけではなく、環境や社会に対する企業の社会的責任といった目に見えない価値に投資するESG投資が注目されてきていることにも繋がってきているのです。

「建築物のZEB化」
この取組が、将来事業者・オーナーにとっていかに価値あるものになっていくのか?残念ながら現時点ではZEBの利点、価値が十分に周知されているとは言えません。しかし、建築に携わっているZEBプランナーとして、事業者・オーナー、設計事務所あるいは施工会社などと力を合わせて、そこに集う人々が安心・安全・快適に過ごすことができ、その上環境にも配慮されたZEBの普及に今後とも努めていきたいと思っております。

 8回に渡り「ZEBプランナー体験記」をお送りさせて頂きました。私にとってコラム執筆は始めてのチャレンジでした。

 この機会を頂きました建通新聞社さま、執筆内容に助言頂いた多くの方々にこの場をお借りして厚く御礼申し上げます。

執筆者プロフィール

株式会社イエタス(千代田区) 営業本部 部長 西山 博(にしやま ひろし)

西山 博(にしやま ひろし)
株式会社イエタス(千代田区) 営業本部 部長
建築建材商社に13年間勤務した後、2007年から住宅性能評価(品確法)に特化した一級建築士事務所イエタスに勤務。主に、戸建て住宅の品質向上に努めてきた。当時住宅市場は「量」から「質」へと大きな転換期で、積極的に情報発信しながら、地域の工務店からの相談に数多く対応。 コンサルティング的な依頼も増えていく中、非住宅建築物の省エネルギーの届け出業務を行う非住宅部門を4年前に設立。4年間で省エネ届出の実績は1000棟を超える。2年前にZEBプランナーにも登録。11件のZEB案件に携わり、ZEBへの想いは熱い。現在、高層マンションのZEHにも取組んでおり、幅広く省エネに貢献出来きることを楽しんで毎日仕事をしている。 モットーは「住まう人の住宅、集う人の建築物の安心・安全・快適を実現する」を掲げ、みらいの子供たちの為に残せる住宅・建築物の省エネに貢献することを目指す。 株式会社イエタスホームページURL:http://yetus.co.jp/ お問い合わせ先 電話 03-3230-1215 ZEB担当者 まで