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土木に魅せられて 〜写真家・山崎エリナの見た世界〜I災害時に戦う!「人の力」の大きさと感謝

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 私は阪神淡路大震災を経験し、電気、ガス、水道のライフラインが全て使えない、電話も通じない、道路は陥没、家やビルが倒壊、あの分断された高速道路も目の当たりにしました。その経験により、自然災害、震災の怖さのトラウマが未だ残っている。しかし、インフラメンテナンスの現場の撮影に携わってから、少し自身の心に変化があることに気がついた。
 撮影を通じて、道路や橋梁など日々の安全安心を守ってくれている人がいたんだ!と、分かっていたはずなのに目の当たりにして、その有難さに気付く。そうだ!震災の時に見た悲惨な光景が数年後には元通りに戻っていた!あの時の驚きと感動。正に(技術、頭脳全て含め)全て「人の力」がふるさと神戸を蘇らせてくれたのだと、点が線になった。
 現場の撮影をさせて頂く度に、私の心の支えになっていったことは間違いない。災害時、一番初めに災害現場に立ち向かうのは地元の建設業の方々だ。全国各地の建設業社の方も災害作業に必要な物資を送ろう!と、呼びかけ、できることはやろや!という思い一丸となって災害に立ち向い、助け合う。
 日夜「なんとしてもこの道を復活させる。通させる」この信念で、災害現場で戦っている人がいる。私の大きかった震災のトラウマは人の力、現場に立ち向かう姿勢に触れたことによって、「心の大きな支え」となり変化し続けています。写真を通じて、微力ではありますが、この思いを伝えていきたい。災害復興に携わる皆様に心から感謝を申し上げます。

※写真は写真集「Civil Engineers 土木の肖像」より (新潟の災害による道路補修現場)

執筆者プロフィール

写真家・ボーカリスト 山崎エリナ

山崎エリナ
写真家・ボーカリスト
兵庫県神戸市生まれ 1995年 渡仏。フランス・パリを拠点に3年間の写真活動専念する。 40カ国以上を旅して撮影。エッセイを執筆。 帰国後、国内外で写真展を多数開催、雑誌、雑誌連載、広告、 映像などで活躍。 海外での評価も高く、ポーランドの美術館Mangghaにて作品収蔵。 音楽家 坂本龍一氏、第72 回アカデミー賞にて名誉賞を受賞した映画監督アンジェイ・ワイダ氏からもその作品を高く評価された。 NHKスペシャル「世界初撮影!深海の超巨大イカ」ダイオウイカで話題なった自然番組にスチールカメラマンとして同行し深海撮影。 写真集に「Iceland blue アイスランドブルー」(学研)、「Saudade サウダージ」 (初版 ピエブックス)、「ただいまおかえり」(小学館)、「千の風 神戸から 〜天国のあの人へ〜」(学研)、「アンブラッセ 〜恋人たちのパリ〜」(ポプラ社)、「三峯神社」(グッドブックス)2019年「インフラメンテナンス 〜日本列島365日、道路はこうして守られている〜」(グッドブックス) 2020年 6月上旬「civil engineers 土木の肖像」、6月下旬「トンネル誕生」(同グッドブックス) 出版へ。 山崎エリナオフィシャルサイトhttp://www.yamasakielina.com インスタグラム elina.yamasaki oze.hinoemata.elinayamasaki