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CCUS第2幕「90万人に迫る登録技能者」

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 建設キャリアアップシステム(CCUS)の登録技能者数が順調に伸びている。1月末現在、登録技能者数は81万人に達した。全国の建設技能者のおよそ4人に1人が登録を終えたことになる。
 事業者も15万者(うち一人親方4万者)が登録。これは工事実績がある全国の事業者約20万者の75%に及ぶという。さらに、技能者が現場の入退場に際して蓄積する就業履歴(カードタッチ数)も1カ月当たりで200万件を超えるようになってきた。
 国土交通省と関係団体が描く、CCUSによる技能者の処遇改善は、まずシステムへの登録を進め、引き続き、就業履歴を確実に蓄積する。その上で、蓄積された就業履歴に基づく能力評価と、その評価を踏まえ、技能者の技能・経験に応じた賃金支払いを目指すというものだ。
 CCUSは2019年4月の本格運用からいよいよ3年を迎える。20年度に明らかになった財源問題を受け、国交省と建設業振興基金は、より現実的な登録目標を設けた。現在の技能者・事業者登録数とカードタッチ数は、CCUSの運営が単年度黒字となる21年度目標を超えるまでに伸びてきた。
 とは言え、CCUS本来の目的は「運営を黒字化する」ことではない。
 元請け完工高ベースで全体の3分の2に相当する元請け企業が登録済みとなったことを踏まえれば、今後は利用者目線でCCUSの使い勝手を良くし、技能者登録へのメリットを、さらに感じてもらわなくてはならない。
 また、普及促進の場は、都市部や大手企業の現場から、地方へ、中小企業の現場へと軸足を移している。そこでは、CCUSを活用した技能者の処遇改善への理解促進、登録メリットの周知がこれまで以上に重要になるだろう。 
◇ ◇ ◇
 CCUSは、登録者を増やし認知度を高める「第1段階」から、使い勝手を良くし、さらなる普及と確実な就業履歴の蓄積を目指す「第2段階」に移りつつある。「就業履歴のポイント還元」「スマートフォンや顔認証を使った就業履歴の蓄積」「建退共の電子申請方式との連携」「週休2日モデル工事への就労履歴データの活用」といった、CCUSをめぐる新しい試みを連載する。