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CCUS第2幕「ポイント還元でタッチを習慣化」

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 奥村組が施工している物流施設の建設現場で、建設キャリアアップシステム(CCUS)の登録技能者に就業履歴(カードタッチ)の蓄積を促す実証実験が2021年11〜12月に行われた。実証実験では、現場入場時にカードタッチした技能者にポイントを付与し、貯まったポイントをQUOカードPAYで還元した。同工事事務所の安藤紀明所長は「今回の実験を通じて、カードタッチ数が増えた」と振り返る。
 実証実験では、カードタッチによる「ベースポイント」に加え、安全パトロールなど現場での活動に参加した技能者に対して、元請け独自の「評価ポイント」も付与した=ポイント累積イメージ図参照。ポイント数は「ベースポイント」が20ポイント、「評価ポイント」は安全パトロール、現場の清掃活動、産業廃棄物の分別作業への参加が50ポイント、安全表彰の受賞が100ポイントとした。
 実験には、事前に参加登録した75人が参加。貯まったポイントは、1000ポイント以上で1000円分、500〜1000ポイント未満で500円分のQUOカードPAYとして還元。500ポイント未満の技能者には参加賞として300円分のQUOカードPAYを還元した。
 技能者から「カードタッチを忘れないようになった」「現場の取り組みに参加するきっかけになった」といった声が聞かれた一方で、実証実験期間中はポイント還元ができなかったことや、高齢の技能者にはスマートフォンとアプリの操作が不慣れなためポイントの蓄積が難しかったことなどが、今後の課題として残った。
 CCUSには、登録技能者の4割に「カードタッチの経験がない」という現状もある。そうした中で、今回の実験に参加した多くの技能者が、ポイント還元にメリットを感じ、カードタッチを習慣化するようになった。元請け独自の評価ポイントを付与したことで、「現場の安全や生産性向上の取り組みにも技能者が積極的に参加するようになった」(安藤所長)という効果もあった。