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伊賀市役所

 古墳など 歴史資産や観光資源を生かしたまちづくりを推進

 

   藤井寺市・岡田一樹市長に聞く

 
 2019年5月の市長就任以降、「藤井寺の未来はみんなで作る」を理念に掲げ政策を進める藤井寺市の岡田一樹市長。第五次藤井寺市総合計画後期基本計画に基づき、「住みたいまち、訪れたいまち、住み続けたいまち」に向けたまちづくりに取り組んでいる。世界遺産となった「百舌鳥・古市古墳群」など歴史資産や観光資源を生かしたまちづくりや防災力の強化に取り組む岡田市長に、藤井寺市の「今と未来」を聞いた。(聞き手=大阪支局・上田浩史)
 

 

 ■教育や防災などの観点から、まちづくりを進めていく中で重視しているものは。

 
 「三つのテーマに沿ってまちおこしを進めていく。『住みたいまち』の視点では、『子育てするなら藤井寺』をフレーズに子育て世帯に暮らしやすい環境をソフトとハードの両面で整備している。GIGAスクール構想により11月末までに児童生徒一人に付き1台のタブレットを貸与する予定にしている。小中学校の耐震工事は完了し、現在は幼保施設の耐震整備をはじめ、子育て世代の方からの要望が強い公園の整備を進めている。『訪れたいまち』の視点では、2019年7月に百舌鳥・古市古墳群が世界遺産に登録されたことを契機に、日本遺産認定の葛井寺や菅原道真所縁の道明寺天満宮など歴史の観光資源を活用していく。『住み続けたいまち』の視点では、上下水道の整備をはじめ災害に強いまちづくりを推進する。大和川と石川という大きな河川が市域を流れることから水害に対する警戒と対策を徹底していく」
 

 

 

〜 西水路雨水幹線は21年度から着手 〜

 

■現在、進行中の主要事業の実施状況、今後の事業計画について。

 
 「二つの浸水対策をはじめ、省エネ設備更新事業や教育施設の改修などに取り組んでいく。一つは藤井寺市東部の雨水幹線を2000年から約20年かけて整備してきた。現在では北條雨水ポンプ場までの延長約730bの区間で整備が完了しており、残る40bについては22年3月の完成を目指し整備を進める。二つめは財政状況の関係で休止していた西水路雨水幹線について、21年度から工事に着手する。現状、藤井寺市では公共下水道の汚水人口普及率が81・6%であることから、5〜10年先には90%以上を目指す。省エネ設備更新事業では約9億8000万円を投じて本庁舎、市民会館、生涯学習センター等の空調設備・受変電設備の更新とLED照明の交換を進めていく。この他、第三中学校と道明寺東小学校のトイレ乾式化と洋式化の整備を2カ年で進めていくことや、コロナ禍での夏季授業実施や避難所ともなる体育館の空調整備に向けた予算を計上する方針だ」
 

 

 

■大阪市などの都心に近く観光資源も数多い。将来的に見ても地域のポテンシャルは高い。

 
 「立地の優位性をより一層、高めるために交通アクセス網の整備に取り組んでいく。八尾空港から富田林市までにつながる八尾富田林線の整備を大阪府が進めることで、空港からの緊急時の救援物資や避難道路としての活用なども想定している。また、周辺の土地利用を所有者の方々と検討する津堂・小山まちづくり協議会が7月に設立されています。交通網では、大阪北部へのアクセスが困難なことから、南河内エリア一体で連携することでおおさか東線がJR柏原駅を経由して近鉄道明寺線への相互乗り入れや、大阪メトロ谷町線の八尾南駅以南の延長などが望まれる。こうした交通アクセス網だけでなく、市民主体の道明寺駅周辺まち整備協議会の発足など駅前整備の機運が高まってきている」
 「藤井寺市には世界遺産なのに登れる古墳があり、頂上まで登れる。中でも古室山古墳の墳頂から市内を見下ろして、そのはるか先にある、あべのハルカスを眺めれば大王(オオキミ)になった気持ちを体感できるのでは。世界遺産に身近に触れることのできる本市の魅力を積極的に発信していきたい」 
 

 

 

■市の魅力を高める上で、地域の建設業者も欠かせない存在であると考える。

 
 「大規模災害時には土地勘があり、万が一の事態に瞬時に対応してくださる地元建設業者の皆さまは本当に心強いと感じている。いざという時への備えとして災害協定を締結しているが、今後も一緒に手を携えて地域の防災力の向上などに努めていきたい」
 
 (2020/10/28 大阪版掲載)
 
 
 
 
 
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