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伊賀市役所

 吹田の魅力さらに前へ 後藤圭二市長にまちづくりのビジョンを聞く


 2020年に中核市へ移行した吹田市―。住みやすさや充実した子育て環境を背景に人口増加が顕著で、産・学の集積とその進展が図れるなど理想の市政を展開している。その成果にとどまらず、都市インフラのさらなる充実を目指してまちづくりの指揮を執る後藤圭二市長に聞いた。(聞き手は大阪支局=北野宏幸)


インタビューに答える後藤圭二吹田市長

■市長の目から見た吹田市について

 「さまざまな自治体ランキングで上位に評価をされることが多い吹田市ですが、客観的にその理由を見ると『総合力』だと感じています。医療、学力など全国トップクラスの分野だけでなく、あらゆる分野がバランス良く平均を上回っている、ということです。2020年の1年間での転入超過が2162人という現象(近畿2位、全国19位)は、市の誘引力が広く知られた結果でしょう。なかでも若い世代の転入超過数は全国トップクラスです」

 「既存の魅力に加え『活発な動きがある』自治体であることは、事業者にとってビジネスチャンスエリアです。北大阪健康医療都市(健都)プロジェクト、Panasonic Stadium Suita(市立吹田サッカースタジアム)建設、エキスポシティ開業、大規模マンション開発、JRの新駅開業、新規公共施設整備など、市内各所で官民問わず多くの建設事業が動き続けています。これは良好な環境、交通利便性の高さ、お住まいの市民の意識の高さ、五つもの大学の存在とも相まって『北摂ブランド』を高め合う好循環にあると言えます」

 ―昨年、市制80周年・中核市への移行と節目を迎えました。暮らし・学び・医療・産業分野で高い成熟を実現しているなかで、今後思い描くまちづくりの展望・ビジョンは
 「20年度は市制施行80周年を迎えるとともに、中核市へと移行する節目の年となりましたが、中核市移行のメリットは日々感じています。情報の量と質は格段に上がり、外部からの好評価も頂いています。そして、それが職員の意識の高まりにつながっています。移行当初から新型コロナウイルス感染症対応に追われ、想定外の船出となりましたが、保健衛生分野を中心に大阪府から多くの権限が移譲され、なかでも保健所は、市民の命と暮らしを最前線で守る、まさに地域保健の要となってくれています」

 「そして高いポテンシャルを持つ自治体としては、基礎自治体の限界を突破する責任があると思っています。医療、健康、教育において『なるほど、そんな作戦があったのか』と思わせることのできる"突き抜ける"自治体というところでしょうか」

■これまでに取り組んでいる、また計画する市発展の礎を築く注目事業について

 「JR岸辺駅の北側、旧国鉄吹田操車場跡地など約30fの地域を北大阪健康医療都市(健都)と名付け、『健康・医療のまちづくり』のコンセプトの下、さまざまな取り組みを進めています。国立循環器病研究センター、市立吹田市民病院、ホテルやクリニックモールを備えた駅前複合施設『ビエラ岸辺健都』、高齢者向けウェルネス住宅などさまざまな先進的な施設が立地し、20年11月の健都ライブラリーのオープンによりまちが本格的に稼働しました」

 「すでに主要な研究開発企業が集まるなか、国立健康栄養研究所が移転してくるなど、医療クラスターの形成が進んでいます。今後は、産学官民の連携により新たな健康づくりサービスを創出するなど、健康への意識を変え、新しいライフスタイルを創造するための取り組みを進めていきます」

 「また22年度の供用開始を目指し、阪急北千里駅の西に位置する北千里小学校跡地に、子育て・学びの拠点づくりをコンセプトとした北千里小学校跡地複合施設の整備を進めています。公民館・図書館・児童センターの三つの機能を備え、さまざまな年代の人々が交流し地域でつながるモデル施設となることを目指しています」

 「さらに24年度の供用開始を目指し、阪急南千里駅西側に、消防、土木部、教育センターなどの機能を備えた施設の整備を進めています。施設内には、豊中・吹田・池田・箕面・摂津の5市で運用する共同消防指令センターを配置し、119番通報の受信、消防車や救急車の出動指令などの業務を共同で行う予定で、共同運用としては大阪府内最大となります。これらのいずれの事業も、吹田市の今後の発展の礎を築く取り組みになると確信しています」

■千里エリアの新施設など「将来のくらし」見据えた施策推進


北千里小跡地複合施設イメージパース

 ―現状を踏まえ吹田市が市制90年、100年に向けて飛躍するために取り組むべき課題などについて
 「都市形成としてはほぼ完成形とも言える吹田市ですが、積年の難課題も存在します。しかし市長就任以来『寝ている子を起こすまちづくり』と称し、積極的に課題解決に向けて取り組んでいます

 「代表例としては、国土交通省からも注目されている千里ニュータウン南部の佐井寺西地区での市施行による土地区画整理事業です。当該地域は、市域の東西・南北の交通の要であり、都市計画道路豊中岸部線および佐井寺片山高浜線が未整備であるとともに、複数の民間開発計画が進行しています。都市計画道路を中心とした基盤整備を行い、民間開発などの土地利用を誘導し、秩序あるまちづくりを進めていきます」

 「また本市の魅力である都市公園の再整備、管理運営にPark−PFIおよび指定管理者制度を導入し、民間事業者との連携や協働により一層の魅力向上を図ります。他にも、公共施設のリニューアル、上下水道や道路整備といった、暮らしを支えるインフラの維持管理事業に積極的に取り組み、将来市民への責任も果たしてまいります」

 ―市のインフラ整備を支える建設業者について
 「市では今後も取り組むべきまちづくり事業を止めることなく実施していきます。そのためには、建設事業者の皆さんと相互の信頼をもって、知恵と力を持ち寄らなければなりません。特に市内事業者の皆さんには身近な存在として引き続きご協力いただき、事業継続につなげていきたいと思っています」

 

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