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若い人材はなぜ離職するのか(2)

「ゆとり世代」といわれる現代の若者の特徴として前号は「素直で真面目、おとなしい」と表現したが、その続きを述べていきたい。
(2)打たれ弱い
 40代以上の工事所長クラスを相手に若手社員に対する指導育成の研修を行う際に、「子供の頃に親や学校の先生に頭を叩かれたことのある人」と尋ねると、全員が手を挙げる。対して20代の若手社員に同じ質問をすると、ほぼ全員が手を挙げない。生まれてから成人になるまで親に大事に育てられ、純粋培養された若者がいきなり建設業界に身を置くということは、多少なりとも覚悟して飛び込んだ業界なのだろうが、若者本人からするとカルチャーショックが少なからずあるようだ。
 建設業の工事現場においても、さすがに力づくで若手を指導するとなるとパワハラになるので、そこまではしないにしても“乱暴な言葉”は日ごろから飛び交っていると思われる。若手社員の研修でアンケートなどを取ると、実際に若者が傷ついている主な言葉は、「バカ野郎」「お前なんか要らない」「明日から現場に来なくていい」「邪魔だ。帰れ」「お前は頭が悪い」等々である。
 工事現場の上司・先輩からすると叱咤激励の言葉なのかもしれないし、40代以上の社員の方であれば、若い時分に上司から、このような言葉をぶつけられたら、「なにくそ。見返してやる」くらいの根性で仕事を覚えたと思われる。
しかしながら、今の若者はこれらの言葉に傷つき、自信を失い、そして就業意欲が削がれるのだ。もちろん、若手社員を甘やかしては、いつまでたっても一人前の社員には育たない。工事現場の上司・先輩は若手社員の指導を行うに当たっては言葉を選ばねばならない。その点については次号以降に述べたい。

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執筆者プロフィール

 酒井誠一
酒井誠一

学卒後、日本コンサルタントグループ入社。営業本部大阪営業所長、市場開発部等を経て現在に至る。専門は建設業の営業力強化、人事制度及び人材育成支援コンサルティング、経営戦略プランニング及び軌道乗せ、各種社員教育(階層別、職種別、テーマ別)など。
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