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若い人材はなぜ離職するのか(4)

2.現代の若者をどのように受け入れるか
前号でも触れたが、ゆとり世代の若手社員は受動的な姿勢の人がかなり多いと見てよいだろう。そもそもの姿勢が受け身であり、指示待ち人間が多いことから、上司・先輩からすると“糠に釘”、“暖簾に腕押し”で、指導していても「どうにも張り合いがない」となってしまうのも無理はないだろう。こうした受け身の姿勢が、時に上司・先輩からすると“やる気がない”と感じるマイナス面となって映るようだ。
では、若手社員たちは自ら技術・知識を向上させる主体的な気がないのかと言えば、そのようなことはない。筆者が若手社員と面談すると、「早く一人前になりたい」という気持ちを持っている人の方が圧倒的に多い。一見、矛盾しているように思われるが、そうではない。
人間は自らの仕事について、「行動する→仕事を終える→良い評価を受ける→次も頑張って行動する」の好循環サイクルがまわると仕事に対する意欲が増し、進んで行動する。ところが得てして建設現場での若者は「行動する→仕事を終える」の後に上司・先輩から、否定される(何をやっているんだ。違うだろう。この程度しかできないのか)、無視される(仕事だからやって当然)と、頑張って次への行動に結びつけるという段階に進めずに、指示されたことのみを行う安全運転モードに入ってしまうのだ。
上司・先輩が若手に対して行うべきことは、若手社員が一生懸命に行っていることを否定せずに受け入れ、仕事がある程度の基準に達していれば、それをポジティブにフィードバックする、つまりは褒めてやることが重要だ。
そして、若手社員の仕事の結果がもし悪くても、それを否定するのではなく、どうしてそのような結果になったのか原因を考えさせ、次からは良い結果に結びつくような行動改善につなげる指導を行うことが重要だ。行動が改善され良い結果となれば、その都度、褒めてやることで若手社員に自信を持たせることが、受動的な行動を主体的な行動に変革する一歩となるはずだ。

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執筆者プロフィール

 酒井誠一
酒井誠一

学卒後、日本コンサルタントグループ入社。営業本部大阪営業所長、市場開発部等を経て現在に至る。専門は建設業の営業力強化、人事制度及び人材育成支援コンサルティング、経営戦略プランニング及び軌道乗せ、各種社員教育(階層別、職種別、テーマ別)など。
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