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SDGs経営 選ばれる建設業【第1回】   行動変容を促すツールに

従業員の高齢化、人手不足、採用難、若手の定着−。新しい年を迎えても、建設業が抱えている課題に大きな変化はない。昨年11月に公表された2020年国勢調査では、生産年齢人口(15〜64歳)が5年前と比べて226万6232人減った。少子高齢化の波は勢いを増し、産業間、企業間の人材獲得競争は激しくなるばかりだ。建設業はこの競争にどのように臨めばいいのだろうか。
 今、15年に国連サミットで採択されたSDGs(持続可能な開発目標)に取り組み、採用を少しでも有利に進めようとしたり、従業員満足度を高めようという企業が増え始めている。
 帝国データバンクが21年6月に行ったSDGsに関する意識調査(回答企業1万1109社)によると、SDGsに積極的な企業は回答企業の39・7%となった。前年の同じ調査と比べると、15・3ポイント伸びている。全国建設業協会が行った調査でも「SDGsについて対応・アクションを検討している」(17・0%)、「SDGsについて既に対応・アクションを行っている」(23・2%)と4割を超える企業がSDGsに前向きな回答を寄せた。
 貧困、健康、気候変動といった地球規模のさまざまな問題の解決を目指すSDGsに、なぜ積極的に取り組む企業が増えているのか。その答えの一つが、企業を取り巻く社会全体の意識の変化だ。
 小学校に20年度、中学校に21年度、高校に22年度から全面的に導入される新学習指導要領では、すでにSDGsを教育課程に取り入れている。これから社会に出る子どもたちはスタンダードとしてSDGsを受け入れるようになってくる。
 資金繰りを後押ししようという動きも出始めている。静岡銀行は、SDGsに取り組む中小企業を支援する融資「ポジティブ・インパクト・ファイナンス」を21年1月にスタートした。中小企業向けとして国内初となるこの融資は、昨年11月末時点で14社への実績があり、このうち3社が建設業だという。
 建設業に限って見ると、公共調達の世界にも変化の兆しが表れ始めている。横浜市は21年4月、市独自の認証制度「Y−SDGs」を取得した企業に対する公共工事での加点措置をスタート。新潟県は、建設業に特化したSDGsの登録制度を運用している。
 ◇  ◇  ◇
 仕事や生活の中でSDGsを目にしたり、SDGsを意識する機会が増えています。この変化の波は、建設業にも例外なく迫っています。この連載では、SDGsをツールとして、建設業に行動変容を促す動きを「受注」「資金繰り」「従業員満足度」「採用」の視点で紹介します。

※建通新聞社は、国連の「SDGメディア・コンパクト」に加盟しています。

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