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SDGs経営 選ばれる建設業【第5回】   企業選びの判断基準≠ノ

人材情報サービスのマイナビが2022年春卒業予定の学生を対象に「就職活動に影響したニュースワード」を聞いたところ、19・3%の学生が「SDGs」と答えた=グラフ参照。新型コロナウイルス関連を除くと、SDGsに対する関心が最も高く、前年の同じ調査と比べても3・6ポイント上昇している。
 こうした学生の意識の変化を踏まえ、SDGsをキーワードとして、学生が将来のキャリアを考えることをサポートする教育機関も出てきている。筑波大学では2月1日に、企業のSDGsに対する取り組みを知り、学生が卒業・修了後の未来について考えるためのセミナーを開催した。
 セミナーでは、SDGsに積極的に取り組む企業と学生が交流し、SDGsへの理解と知識を深めた。SDGsに特化して学生のキャリアを考えるセミナーは筑波大学としても初の試みだ。
 セミナーを企画した就職課の嶺清人主幹は、「われわれにとってもSDGsは『ホットワード』になっている」という。セミナーの運営を担当した総合人材サービスのセキショウキャリアプラス(茨城県)の飯田理文営業部長も、「特にコロナ禍になって『自分が学んできたことがどのような社会的課題の解決に生かせるのか』と考える学生が急激に増えてきた」と最近の学生の意識の変化を捉える。
 セミナーには、全学年から約70人の学生がオンラインで参加した。メーカーやサービス業、総合商社、ソフトウエア・通信業から8社が出展し、それぞれの企業が、SDGsの17の目標のうち、どの目標に力を入れているのかをアピールした。学生と企業がオンラインで交流する時間も設けられた。
 嶺主幹は、自分が学んでいるスキルと、企業が求めている人材が、SDGsのどの目標にどう関連しているのかを見極めることが「学生にとっては大切だ」という。「SDGsに関心を持つことが、自分の視野を広げるきっかけとなり、目標とするキャリアを実現していく力になる」からだ。
 一方で、セミナーを通じて、「依然として、多くの企業がSDGsを組織全体の共通課題にできていない。企業の経営者と社員の間には温度差があると率直に感じた」とも話す。
 持続可能な社会の実現に向けて、企業や行政、あらゆる関係者に変革が迫られている。特に、これからの未来を担う若い世代では、SDGsへの関心がますます高まっていくだろう。
 だからこそ、企業にはそうした学生の思いを受け止め、未来を一緒に作っていく会社になることが求められる。
 就職先として、選ばれる会社になれるかどうか―。SDGsへの取り組みが、そのカギを握っている。

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