中堅中小企業M&Aで失敗しない進め方    第2回 相手探し(マッチング)|建設ニュース 入札情報、落札情報、建設会社の情報は建通新聞社

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中堅中小企業M&Aで失敗しない進め方    第2回 相手探し(マッチング)

第二回は、マッチングです。ここでは大まかな流れを説明したうえで、注意するべきポイントを解説します。

■マッチング
 第一回の企業評価・案件化段階で、会社の株価算定及び企業概要を取りまとめたら、次のステップは候補先を選定し、候補先へ提携を打診していきます。まず仲介会社から候補先となる譲受企業リスト(ロングリスト)の提示を受けます。その中から、社名を開示・提案してほしくない企業を除外する作業を行い、ご希望企業に対してM&Aの可能性があるかを提案していくことになります。企業風土が合致し、相乗効果が見込まれる相手をいかに見つけるかというのは、M&Aで最も難しいテーマの一つです。併せてM&Aは一般的に秘密裏に行われるため、秘密保持については最上位概念として取り組んでいく必要があります。

■注意するべきポイント
 適切な相手を見つけるためには、「どれだけ多くの候補先へ提案できるか(量)」×「秘密保持を徹底して的確な条件で提案できるか(質)」を重視して、仲介会社へ依頼すべきだと言えます。
 マッチングの段階で、「候補先を絞り過ぎて適切なタイミングや条件で相手を見つけることが出来なかった。」というケースや、「ロングリストの確認が不十分だったことで、主要取引先に提案してしまった。」というケースを避けるために、「量」と「質」のいずれも担保して進めていく必要があります。
また、建設業においては経営管理責任者派遣の要否が相手探しに大きく影響してきます。この段階でどのような候補先に何を望むのかを明確にしていくことも重要となってきます。

 マッチングでは、情報漏洩リスクを可能な限り排除して進めていくことは勿論のこと、候補先に何を望むのかを明確化し、広く打診していくことが、適切な相手を見つけることに繋がります。次回は、候補先との初顔合わせの場であるTOP面談について解説します。

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執筆者プロフィール

 前川拓哉(まえかわ・たくや)
前川拓哉(まえかわ・たくや)

(株)日本M&Aセンター業種特化事業部業界再編部シニアチーフ 慶應義塾大学法学部政治学科卒業後、新卒にて日本M&Aセンターに入社。祖父の事業承継課題という身近な問題から、M&Aによる中小企業の存続と発展を使命に従事。最年少にてディールマネージャーに昇格。現在は建設業界に特化したチームをリードし、数多くの業界再編型M&Aを推進する。 (株)日本M&AセンターHP(https://www.nihon-ma.co.jp/sector/c_construction.php
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