東京都港湾局は春海運河に架かる「旧晴海鉄道橋」の遊歩道化に向けた基本・実施設計に着手する。鉄道橋として国内で初めてローゼ桁と連続PC桁を採用するなど歴史的な価値の高い橋梁を保存改修し、ライトアップを行うことなどで海上公園の魅力向上につなげる。これに伴い業務委託先を決める希望制指名競争入札手続きを開始した。7月5日まで申請を受け付け、8月1日に開札して設計者を決める。
江東区豊洲と中央区晴海間の春海運河に架かる晴海鉄道橋の構造は、上部形式のうち中央径間が鋼単純下路式ローゼ桁、側径間がそれぞれ3径間連続PC桁で、橋長190b、幅員38b。下部形式は橋台が重力式、橋脚が壁式と張り出し式、基礎はケーソン式。1957年に完成した。港湾局が専用線として運用していた晴海線を89年に廃止したことに伴い、晴海鉄道橋も廃止した。
都では歴史ある土木遺構を、東京港の歴史を伝える新たなランドマークとして活用するため、老朽化しているため改修し、両地区を結ぶ遊歩道として再整備することを決めた。
橋梁については完成から60年以上が経過して劣化や老朽化が進行しているため、歴史的な価値や構造特性を考慮しながら上部工・下部工の耐震性を照査し、耐力が不足する場合、耐力を満足する補修・補強工法を検討する。
また、遊歩道化に当たって空間構成や景観、意匠、植栽などの基本方針と水準をまとめるとともに、園路やベンチ、植栽、柵、解説版の標準的な仕様、橋梁付属物の橋梁への固定方法などを検討する。
これらの検討結果を基に基本設計図をまとめ、概算工事費を算出する。
併せてライトアップの実施に向け、橋梁部と橋詰め部の電気設備の基本設計を行い、機器などの仕様や電源・配線計画、施工計画を固める。
納期は2020年2月28日。