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経営改善の好機に 23年経審改正

2022/4/25 

女性活躍の促進や子育てサポートなどの取り組みが、経営事項審査の評価項目に加わる。ワークライフバランスを推進しているか、誰もが働きやすい会社であるかどうかが、公共工事の受注にも影響を及ぼすことになる。そもそも働き方改革などの遅れは、建設業の人材確保や将来の事業継続などに影を落としてきた。2023年1月に施行する経審改正を、社内の環境を整えるきっかにしたい。
 経審改正では、女性活躍を促す企業を認定する「えるぼし」、子育てサポートを評価する「くるみん」、若者の雇用管理の状況などを認める「ユースエール」が新たな評価対象となる。
 これらの認定のいずれかを取得している建設企業は、4月時点で全国約180社(厚生労働省の『女性の活躍推進企業データベース』)。全産業では約3700社となっており、他産業と比べても建設業の取り組みは遅れている。
 中でも「女性活躍」は建設業でも長年の課題となってきた。専用のトイレや更衣室の設置、休暇制度の整備などが進み、建設業でも女性が働きやすい環境が整ってきてはいるものの、取り組みはいまだ道半ばである。
 厚労省の労働力調査によると、建設業の就業者に占める女性の割合は17%。全産業平均の44・7%には遠く及ばない。建設業の女性管理職の割合は6・1%(帝国データバンク)、男性の育児休業の取得割合は6・8%(厚労省)となっており、いずれも調査対象業種の中で2番目に低い。
 「残業が多い」「土曜日に休めない」「作業環境が整えられない」「男性の意識が変わらない」―などの理由もあるのだろう。ただ、人口減少や高齢化が進む中で、日本中の企業が人材の確保・育成に躍起となっている。建設業も働き方改革のピッチを上げなければ、他産業との人材獲得競争を乗り切ることはできない。比較的取り組みが遅れている中小の建設業にも、ワークライフバランスなど働き方改革の意識を、さらに根付かせていくことが必要だ。
 経営事項審査では、これまでもISOや社会保険、若手育成・確保、地域貢献など、社会課題に対応した項目を評価に取り入れ、これが建設業経営の道しるべとなってきた。
 例えばISOの取得状況(4月時点)を見ると、ISO9001を取得している建設企業は6488社、ISO14001も3163社となり、いずれも建設業が最も取得数の多い業種となっている。「認証取得が目的化している」などという批判もあるが、一方でISOの取得を品質やコスト管理などで積極的に役立てている会社も多い。
 今回の経審改正では、ワークライフバランスに関わる項目だけでなく、中小企業でも環境配慮に取り組みやすいエコアクション21の取得なども評価対象となる。いずれも社会的な要請に対応し、中小建設業が地域での役割と責任を果たしていくために重要な項目ばかりだ。
 多様な働き方の実現、脱炭素への取り組みなど、改正に込められたメッセージを理解し、自社の経営に落とし込むことを考えたい。経審改正を長年の課題である人材の確保や将来の事業継続のための好機とすべきだ。

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