「銀傘」を拡張した阪神甲子園球場の完成イメージ図（提供／阪神電気鉄道）
阪神電鉄は、運営する阪神甲子園球場で内野席を覆う「銀傘」を、一・三塁側のアルプススタンドまで拡張する計画を発表した。11月に着工し、２０２８年３月の竣工を目指す。事業費は約１５０億円。
観戦環境の改善を目的としており、拡張面積は３３２８平方㍍。アルプス席の約７割を覆うことが可能としており、材質は既存と同様のガルバリウム鋼板を使用する。太陽光パネルの設置や外壁にリサイクル素材を活用するなど、環境負荷の低減に取り組む。
銀傘の設置には、スタンド席に柱を設けないよう、アルプス席外周に新設する建屋で銀傘を支える計画だ。
新設する建屋の規模は鉄骨造６階建てが一塁側と三塁側の２棟で、延べ床面積は合計９２７８平方㍍。１階を通路、２階を配管などの設備スペースとし、３階に飲食店やグッズショップ、コンコース、４階に厨房や事務所などのバックオフィスを設けるとしている。５階と６階には観覧エリアを整備する予定だ。
～大林組が施工を担当～
11月～25年２月に連絡通路の架け替えと埋設配管整備を行い、25年11月～26年３月に基礎・躯体工事、26年11月～27年３月に建屋と内装工事、照明塔撤去、仮設照明設置を行う。27年11月～28年３月に銀傘の架設と照明設置、外構・内装工事を実施する計画だ。施工は大林組が担当する。
甲子園球場は１９２４年に開業し、８月１日には開場１００周年を迎えた。高校野球の開催では、選手だけでなく学校の応援団や観客の暑さ対策などが課題となっていることから、銀傘を拡張し、アルプス席の一部を覆う構想を23年７月に発表した。
