設備の機器構成イメージ
【島田】中部電力(名古屋市東区)は、東芝エネルギーシステムズ(川崎市幸区)、新東海製紙(島田市)と共同で、蓄熱エネルギー技術を用いたプラントを島田市に整備する。今後、実証実験を行い、プラント運用の検討や市場調査を進める方針だ。3社は島田市と「岩石蓄熱技術の実証を推進するための連携協定書」を締結している。
蓄熱エネルギー技術とは、余剰電力を岩石や溶融塩、コンクリートなどの蓄熱材に熱エネルギーとして蓄え、必要時に熱供給や発電することで、エネルギーの安定供給や効率的な利用を図るもの。3社は今回、新東海製紙の島田工場に熱容量約10㍋h時の蓄熱槽を含む岩石蓄熱プラントを設置する。
設置後は、工場内の電力を利用して電気ヒーターを稼働し、その熱を蓄熱槽に貯蔵する。貯蔵後は工場で熱のまま利用するか、電力に変換して使用する。
中部電力は、蓄熱槽と設備基礎の設計・施工、市場調査を担当する。東芝エネルギーシステムズは、実証実験全体の取りまとめを行うとともに、設備全般の設計・施工・試運転を担う。工場を保有する新東海製紙は、運用に向けた既存設備の改修を実施。島田市は、市への岩石蓄熱の導入を想定し、エネルギー収支や二酸化炭素削減効果などを検証する予定だ。