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建設業の働き方改革 人材獲得競争を自覚せよ

2017/10/23 

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働き方改革で労働環境を改善し、若年層の入職・定着を促す―。次期通常国会に提出される働き方改革関連法が成立し、建設業に時間外労働の罰則付き上限規制が適用された時、建設業に課されることになる命題だ。
 いま、国土交通省や建設業団体が訴え始めたのは、適正な工期を設け、建設現場における長時間労働の是正や週休2日を実現しようというもの。現場を土日閉所とし、現場に従事している技術者・技能者の労働環境を改善することで、建設業が抱えている最大の課題である担い手の確保につなげようというものだ。
 ただ、民間発注者や消費者がこうした建設業の訴えに理解を示すまでにはまだまだ時間が掛かるだろう。週休2日が定着せず、長時間労働の是正が求めてられているのは何も建設業だけではないからだ。
 厚生労働省の「就労条件総合調査」によると、全産業で完全週休2日制を導入している企業は49%と半数に満たない。このうち、建設業は完全週休2日を導入する企業の割合が27・4%と、全産業の数字を大きく下回っている。
 ただ、運輸業・郵便業(25・1%)、宿泊業・飲食サービス業(34%)、生活関連サービス業・娯楽業(40・3%)も、完全週休2日制の企業の割合が全産業の平均を下回っており、さらにこの3業種は、完全週休2日制の企業より、月1〜3回の週休2日制を導入する企業が占める割合が高いという調査結果も出ている。
 週休2日制を導入できないこれらの産業でも、建設業と同様に人手不足に悩まされている。特に、新入社員の教育制度やインターンシップ、女性の産休・育休制度がない企業が多い中小企業では、ようやく採用した若年層の離職率も高い傾向にあるのが現状だ。
 ここで忘れてはならないのは、働き方改革による時間外労働の上限規制は、全ての産業に対して強化されるということ。規制の強化に伴い、長時間労働の是正に正面から取り組む企業は、一人一人の労働者の労働時間を削減する代わりに、まず1人当たりの生産性を上げる努力をするだろう。さらに、生産量を維持・拡大しようと考えれば、採用を拡大して新たな労働力を確保しようとするはずだ。
 現行の労働基準法で、時間外労働の上限規制の適用除外である建設業には、上限規制の適用までに関連法施行後5年の猶予期間が与えられる。しかし、関連法施行と同時に規制が強化される産業では、施行を待たずに長時間労働の是正や休日の確保が進むことも予想される。この猶予期間の対応が遅れれば、他産業との労働環境の差はさらに開き、建設業がより深刻な人手不足に陥る恐れがある。労働集約型である建設業において、人手が確保できない企業に待っているのは、受注の制約。最悪の場合、廃業せざるを得なくなるかもしれない。
 建設業は既に他産業との人材獲得競争の最中にある。できることからでも、働き方改革に取り組まなければ、この競争の中で生き残ることは難しい。建設業が働き方改革の波に飲まれ、インフラや国民生活の安心・安全の低下を招くことはあってはならない。

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