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新卒高校生の採用 人材確保は攻めの姿勢で

2017/11/6 

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市民生活や産業の基盤整備を担う建設産業が、今後も社会経済の変化に対応し、持続し続けるためには、これまでにもまして豊富な人材の確保が必要だ。高校を卒業後、すぐに就職しようとする若者たちにも、社会人としてのスタートを切り、自分の人生を懸ける場として選んでもらえる産業でありたい。そのためには、彼らを単なる労働力としてではなく、ともに働く仲間として迎えるという意思と、姿勢をこれまで以上に示す必要があるのではないか。
 建設業の事業主団体などによる組織的な活動で、多く見られるのが出前講座だ。建設系学科を持つ工業高校などを訪ね、その道のプロが高校生を指導し、建設の仕事の醍醐味を直接感じてもらう取り組みだ。職人の鮮やかな技能を目の当たりにして目が輝く姿や、真剣な指導を受けて顔が引き締まった瞬間を幾度となく目にしてきた。
 中には出前講座が縁で、高校を卒業して鉄筋工への道を選んだ男性もいる。ものづくりの楽しさを知ったことが、動機の一つだったという。講座を主催した組合に加入する地元企業に就職。その男性は2年後、社長の薦めで出前講座の講師補助として母校を訪れたことも話してくれた。「体感」と「交流」による高校生へのアプローチは、着実に成果が出始めている。
 では、個社としての取り組みはどうか。従業員約20人の専門工事業を営むある社長は、自ら北海道や東北地方の高校を訪問。東京や横浜での就職を希望し、建設業に興味のある生徒を紹介してほしいと伝え、信頼関係を築いてきた結果、紹介された生徒を年に2〜3人ずつ採用できるようになったという。すぐに辞めてしまう若者もいるが、会社を支える立派な社員が育ち、同業者として独立するまでに成長した者もいる。社長は、「雇い主が本気なら、その気持ちは伝わる。やりがいや達成感を求めている若者に対して、働く姿を見せて、何か感じてもらえたら」と、採用する者としての心得、「肝」とも言える部分をそう表現する。
 世田谷区では地元建設企業と高校生とをマッチングさせる取り組みが進む。区内には約1780の建設関連企業があり、全産業の7・3%(23区平均6%)を占める。高校生は、区内建設業者の職場や現場を見学したり、仕事体験できる。生徒は社員から仕事の内容を教わりながら、やりがいを聞き、福利厚生などについての説明を受ける。企業にとっては、高校生が抱く建設業へのイメージを新たにしてもらう貴重な機会となっている。「求人活動にまで手が回らないといった理由から、知ってもらう機会を持たない中小企業も多い。企業の方から積極的に出向いて、自らの声で語り掛けてほしい」。マッチングを支援する区の香山桂子工業・雇用促進課長は、企業側のPRの重要性を感じている。
 高校生に、建設ものづくりの楽しさとそこに集う人たちの魅力を知ってもらい、彼らに仲間として一緒に働いてほしいという気持ちが伝われば、建設産業は就職の選択肢として存在感を増すはずだ。若者に真摯(しんし)に向き合う気持ちと、攻めの姿勢が欠かせない。

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