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防災と建設業の経営強化―自治体での品確法順守の徹底を

2019/10/19 

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災害時の対応の強化や建設業の働き方改革などを促進する改正品確法の運用指針が年内にもまとまる。一方、公共工事の品質と担い手の確保・育成のために2015年1月に策定された現行の運用指針には、4年を経過した現在でも、地方自治体での浸透の遅れが指摘される施策がある。日本の災害対応力の強化が懸案となっているいま、地方自治体は、防災を担う建設業の安定的な経営に関わる取り組みに手をこまねいていてはならない。
 改正品確法の運用指針の策定を前に、全国建設業協会(全建)が、現行の品確法の運用指針への発注機関の対応状況について都道府県建設業協会と会員企業にアンケート調査を行い、4年前の15年度の調査結果と比較した。その結果、一定の改善はあったが、国や都道府県と比べ、市区町村での対応の遅れが目立った。
 例えば、受注者の利益に直結する「必要な契約変更の実施」に関する調査結果は4年前とほとんど変化がなかった。「施工条件の変化などに伴う、必要な変更契約が行われているか?」という質問に対し、「未改善」である割合は、国土交通省が9%、都道府県が22%、市区町村が38%だった。4年前と比較し、いずれもほぼ同率だった。国と地方自治体の取り組みに格差があるまま、改善が進んでいない。
 意見として「市区町村では、変更するにしても、増額できる予算が決まっている。予算オーバーの場合は受注者負担になる」「一部の発注者は設計変更ガイドラインすら理解していない」といった指摘があった。
 関東甲信越地方の全建の参加団体が10月3日に開いた関東甲信越地方ブロック会議で神奈川県建設業協会(神建協)は要望事項として「市町村への品確法運用指針の徹底」を上げた。
 神建協は、国の直轄工事を受注する会員企業は1割に満たず、地域建設業には自治体の工事が重要だと強調。地域建設業の利益率が低い原因の一つとして市町村の入札契約制度や運用の問題が挙げられるとし、17年度決算での売上高営業利益率が、大手で構成する日本建設業連合会の会員企業の8・1%に対し、神奈川県内土木・建築元請企業が2・02%にとどまる統計(東日本建設業保証『建設業の財務統計資料』より)を示した。
 さらに、同県内の市町村での不適切な入札・契約制度として「最低制限価格が、入札後に数社の入札価格の平均値で設定されるため、低い水準に抑えられている」「低入札調査の体制が確保できないのに総合評価方式を採用、低入札調査基準価格が機能しない上、失格基準価格を低水準に設定する」「設計変更にまったく応じない」―といった事例を挙げた。
 日本では近年、大震災が頻発し、地球温暖化によって風水害も激甚化、防災の在り方は新たな局面を迎えている。10月12日に上陸した超大型の台風19号は、広域的に甚大な被害をもたらし、これに対して多くの建設業者が決壊した河川堤防の復旧や排水作業などに動いた。いまや、地域を守る建設業の経営基盤の強化は地方自治体の責務と言える。建設業の不利益につながる理不尽な制度を廃し、日本社会の強靭(きょうじん)化を推し進めなければならない。

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