さらなる入札制度改正を|建設ニュース 入札情報、落札情報、建設会社の情報は建通新聞社

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さらなる入札制度改正を

2020/3/23 

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これは果たして正常な公共調達だろうか。“くじ引き入札”のことだ。人が家を建てるとして、複数の業者が同額の見積もりを提示したとする。「ならばくじ引きで決めてしまえ」とはならないはずだ。しかし公共調達の現場では、そんな行為が関係法令に基づき合法的に行われている。
 例えば川崎市の2019年6月の公共工事の入札を、公開されている入札結果で見てみる。82件の入札のうち、舗装や上下水道など土木工事を中心に45%の37件で、最低制限価格と同額で応札した業者でくじ引きが行われた。応札した41者全員によるくじ引きもある。
 なぜ多くの業者が最低制限価格と同額で応札できるのか。同市の予定価格は事後公表だ。地元業者に聞くと「積算ソフトで算定できる」と言う。最低制限価格の算定機能を謳ったソフトをインターネットでも探すことができる。
 くじ引きが目立つ発注機関は川崎市だけでない。札幌市や新潟市など全国各地の発注機関で発生している。くじ引きの手間を省く「電子くじ」の用意まである。
 また最低制限価格付近に応札が集中し、小銭程度の僅差で落札者が決まる入札も少なくない。積算努力の結果というより、これも“運任せ”のくじ引きとさほど変わらないのではないか。
 こういった入札が発生する原因は、日本の公共事業の調達が価格競争を基本に行われているからだ。技術力を評価する総合評価方式も導入されているが、落札の可能性を高めるためには、予定価格と、予定価格から算定される最低制限価格(調査基準価格)を指標に応札することになる。
 落札額の上限になる予定価格は、フランスやイタリアの会計法を参考に、1889年(明治22年)公布の会計法で規定された。また1920年(大正9年)の内務省告示などで最低制限価格も設定されるようになった。
 それ以来、日本では常識になっている予定価格や最低制限価格だが、これらは現在、国際的には希少な制度になっている。
 日本大学の木下誠也教授は著書(『公共調達解体新書』、2017年)の中で「フランス、イタリアに限らず多くの先進国では、主として第2次世界大戦後、『最低価格の入札』を自動的に落札とする方法が緩和され、裁量的な手続きの下で『最も経済的に有利な入札』を落札とする方法」が使われるようになったと述べている。さらに「筆者が調べた限り、わが国のように予定価格の上限拘束を厳格に適用している国は見当たらない」ともいう。
 公共工事品確法は、適正な予定価格の設定を発注者の責務とする。一方、安値を誘発する入札の仕組みは残されたままだ。
 適正な予定価格の設定に発注者が努力しても、多くの入札で応札者は、最低制限価格を指標に約1割の値引きを繰り返す。そのしわ寄せは、末端の下請けや技能者にも及んでいるだろう。
 また予定価格の上限拘束は不落や不調につながり、行政の効率的な事業の執行を妨げる。
 建設業の担い手確保と公共事業の質の向上を実現するためには、国際的にも非常識になっている予定価格制度を含め、入札制度のさらなる見直しに踏み込むべきだ。

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