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建設労働者の命を守りたい

2020/6/22 

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新型コロナウイルス感染症の拡大防止のため、マスク着用をはじめとした「新しい生活様式」が求められている。建設現場ではフェイスシールドを着用して作業する姿を見かけるようになった。気がかりなのは、夏期の気温もさることながら湿度が高くなるこれからの時期、感染予防を意識しながら作業せざるを得ない労働者の熱中症のリスクが高まっていることだ。
 ただでさえ、建設現場の熱中症リスクは高い。熱中症による死傷者数は2015年以降の5年間で建設業が最多だ。感染症の拡大を防ぐためとはいえ、建設現場で働く人たちの健康を危険にさらすことがあってはならない。感染症対策と熱中症予防を両立させる、安全な作業環境の確保が必要だ。
 厚生労働省は20年度の「熱中症予防行動の留意点」の中で、マスクの着用が熱中症のリスクを高める恐れを指摘。屋外で人と十分な距離を取ることができる場合は、熱中症のリスクを考慮してマスクを外すよう呼び掛けている。マスク着用時は強い負荷の作業や運動を避け、WBGT値に留意し、こまめに水分補給をすることも求めている。
 国土交通省が5月に提示した建設業向けの新型コロナウイルス感染予防対策のガイドラインでも、マスク着用を励行するとともに、気温の高い現場では熱中症に留意するよう促している。
 だが、建設現場でいわゆる「3密」の発生を回避し、マスクやフェイスシールドを外すことができる環境を常に確保できるとは限らない。内装仕上げや設備工事など、密室・密閉空間で作業せざるを得ない作業環境は余りにも多い。また屋外作業であっても声を掛け合い、安全確認を行いながらでなければ、うまくいかない作業も多く、飛沫感染の防止という観点からは悩ましいところだ。
 こうした事態に個社として対応しようとする企業も出てきている。清水建設はあごに装着するプラスチックパッドと口の周りを覆うフィルムを組み合わせた「マウスシールド」を全国の建設現場に配布した。冷感マスクの配備も進めている。
 中小建設業はスーパーゼネコンとは違って、特別なマスクなどを確保することは難しいかもしれない。それでも、こまめに休憩を取ること、詰め所で休憩する際は冷房とともに換気にも注意したりすることで、感染症対策に配慮しながら熱中症のリスクを低減することができる。
 こうした対策を徹底するには、作業環境を整備するのに必要な経費の増額や作業計画の見直しに対する発注者、元請けの理解が欠かせない。
 国交省はすでに、感染症対策に必要な経費については設計変更により発注者が負担するとのガイドラインを示している。また19年度には土木工事積算基準を改正し、熱中症対策のための補正措置も設けている。
 直轄工事だけでなく、地方公共団体や民間発注者においても、受注者の置かれた過酷な環境を理解し、こうした措置をぜひ積極的に取ってほしい。新型コロナ感染症と”共存”した、建設作業(労働)環境づくりに発注者と受注者がともに知恵を出し合い、建設作業従事者の熱中症などによる健康障害の発生を防止したい。

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